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今週はアップルが毎年恒例のWWDC(世界開発者会議)を開催。初日の6日(米国時間)には、車載ディスプレイ「カープレー」の23年リリース予定の最新版を発表した。カープレーは音楽や経路案内などに加え、昨年からは車のキー機能も追加していたが、最新版は温度制御や速度やエンジン回転表示などにも活動範囲を広げることが明らかになった。

※画像は2016年撮影(Martin Dimitrov /iStock)

今回の「カープレー」のアップデートはインタフェース機能として、さらなる“心臓部”の掌握を進めることになり、近年取り沙汰される「アップルカー」投入の「布石」と受け止められている。

日本のネットでも注目度は高く、ツイッターでは、

先進的なUI。未来の車の在り方が見えてきますね

アップルカーの鼓動が聞こえるWWDCでした

などとデザインの美しさや利便性の高さを予感させる内容を直感的に評価する人がいた一方で、

カープレーがついにベンダーの壁を越えてしまった。

アップル自体はどこの車屋にアップルカーを作らせるのかな

いよいよ自動車メーカーがコモディティ化されてしまう時代が来たと感じざるを得ない

などと、アップルやグーグルなどの新規参入組が持ち前のテクノロジー力を駆使して、既存の自動車メーカーからマーケットの主導権を奪う可能性を危惧する人も。

そして、この日の発表でネット民の注目をもう一つ集めたのが最新版カープレイに対応する提携先として世界の14社も紹介され、日本からは日産とホンダが入ったことだった。

特に興味深いのはホンダだ。というのもホンダは今年3月、近年EVの開発を進めてきたソニーとタッグを組むことを発表したばかりだ。ソニーを巡っては、世界の音楽市場をウオークマンからアップルのiTuneに奪われた“因縁”から、アップルカーが登場した場合、EVでのリベンジマッチがなるのか関心を集めてきた経緯がある。

ソニーが開発してきたEV「VISION-S」の5G走行試験(ソニープレスリリースより)

ホンダ・ソニー連合は2025年中の発売を計画しているが、アップルカーも同年の投入が取り沙汰されてきた。自動車専門誌ベストカーの電子版によれば、アップルがカリフォルニア州陸運局に提出した自動運転車の走行実験距離数は昨年から飛躍的に増大、開発が一段と加速していることをうかがわせるという。また先月には中国の経済メディアが、台湾の鴻海精密工業がアップルカーの製造を受注したのではないかとの観測報道をしたことも。

ネット上では「ガチンコ対決に期待」と見る向きもあるが、2025年は大阪万博の開催イヤー。どのような展開になっているのだろうか。