廃食油や動物油等を原料とする「リニューアブルディーゼル」でタンクリーリを走らせる日本初の取組が、北陸・甲信越地方で行なわれる。伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、INPEX、INPEXロジスティクスの4社が発表したもの。
リニューアブルディーゼルは伊藤忠商事がフィンランドのNesteから調達し、伊藤忠エネクスが供給するもので、INPEXロジスティクスが北陸・甲信越地方で国産原油や石油製品の輸送を行なう18台のタンクローリ車の燃料として利用する。
リニューアブルディーゼルは、既存の車両/給油施設をそのまま使用できるのが特徴で、導入コストの最小化とともにGHG排出量低減にも寄与。今後陸上輸送分野でさらなる利用拡大が期待されており、同取組にも注目が集まりそうだ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/INPEXロジスティクス、Neste
日本初のリニューアブルディーゼルによるタンクローリ車の運行
伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、INPEX、INPEXロジスティクスの4社は6月7日、再生可能資源由来燃料であるリニューアブルディーゼル(RD)の日本初となるタンクローリ車での使用にかかる協業に着手したと発表した。
これにより、INPEXロジスティクスは、伊藤忠商事が世界最大のリニューアブル燃料メーカーであるNeste OYJから調達し、伊藤忠エネクスが供給するRDを、北陸・甲信越地方で国産原油、及び石油製品の輸送を担う18台のタンクローリ(セミトラクタ)の燃料として使用する。
同地域でのRDの利用、並びにタンクローリでのRD使用は日本初となる。
本取組に先立ち、伊藤忠商事はNesteとRDの日本国内向け輸入契約を締結。伊藤忠エネクスは国内のRD輸送及び給油にかかる一連のサプライチェーンの構築を行なった。本取組は、これらにINPEXグループがすでに確立している北陸・甲信越地方を中心とした販売網を組み合わせることにより実現したもの。
今後4社は、INPEXロジスティクスが保有するタンクローリへの継続的なRD供給、及びその使用により、陸上輸送分野における脱炭素化を牽引する。
また本取組を通じて、INPEXグループが有する北陸・甲信越地方を中心とするネットワークを生かしたRDのビジネス展開に向けた協働を進め、ともにサーキュラー・エコノミー、及び脱炭素社会の実現に寄与することを目指す、としている。
低コストなドロップイン燃料として期待されるリニューアブルディーゼル
NesteのRDは食品競合のない廃食油や動物油等を原料として製造され、ライフサイクルアセスメントベースでのGHG(温室効果ガス)排出量で石油由来軽油比約90%の削減を実現する。
RDは主に輸送用のトラック・バス等で使用され、いわゆる「ドロップイン」燃料として、既存の車両/給油関連施設をそのままに利用開始することが可能で、すでに欧米を中心に広く流通実績がある。
脱炭素施策にかかる導入コストを最小限に抑え、GHG排出量削減にも大きく貢献できる次世代リニューアブル燃料として、今後の陸上輸送分野でのさらなる利用拡大が期待される。
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