生活には欠かせない存在となりつつあるスマートフォン。利用者の多くが画面保護フィルムを装着していることだろう。うっかり落とした時にディスプレイがクモの巣状態になるのは寂しいですものね……。
そんな画面保護フィルム、実はナビ画面にも使える製品があるって知ってましたか? ツメで画面を押したり、お子さまが触ったりとなかなかシビアな状況にあるナビ画面。
直射日光があたると細かな傷が見えて気分が盛り下がってしまうことも多くあるはず。そこでスマートフォンなどのアクセサリーメーカーが自動車メーカーの純正部品規格相当の超高品質フィルムを作りました。採用しているディーラーから徹底レポート!!
文/写真:ベストカーWeb編集部、取材協力:日産プリンス名古屋販売
【画像ギャラリー】いつまでも美しく!! ナビ画面保護フィルムは付属品も超一流(9枚)画像ギャラリー■スマホには貼るのにナビは無防備だった
昨今の自動車の内装はとても上質感もある素材が多く用いられ、特にナビ画面は年々大型化の一途を辿っている印象。車内インテリアのなかでもひときわ目を引く存在だけに、気になるのが傷だったりする。
近年はピアノブラックの加飾もあり、ちょっとしたことで線傷が入ったり、ふいにツメがカツっと当たっただけで傷がついてしまうことは多々ある。それはナビ画面も同じなのだ。
そこで高機能材料を加工製造しているメーカーで、ケブラーケース、アルミ加工品などを得意としているディーフ株式会社が立ち上がった。スマートフォン用の保護フィルムを販売する同社がもつ技術をフル活用して、ナビ専用フィルムの販売に踏み切った。製品化に向けたすごいストーリーもあるのだが、それは後述することにしてまずは製品紹介から。
「マルチファンクション・スクリーン・プロテクター」と命名されたナビ専用フィルムは大きく分けて3つの効果を発揮する。まずは傷防止だ。
ナビ画面といっても昨日はカーナビだけではなくオーディオや空調などマルチファンクションディスプレイになっている車種も多く、画面にタッチするシーンは年々増えてきている。
実際問題ナビ画面の傷は予防をしておかないとあっという間に傷が広がる。この製品はそれを防ぐためのもので、しっかりと傷を防げるのだ。今回この製品の開発を担当したディーフの霜田憲一氏はこう話す。
「なんの気なしにナビの画面をツメで叩くシーンもあると思うのですが、実はツメ自体にも相当な硬さがあるんです。よくスマホフィルムのパッケージに書いてある表面硬度でいうとツメは2~2.5Hくらい。
これがネイルアートなどに使われる付けツメになれば硬さは6H程度になります。こうなると一般的なスマホフィルムでも傷のリスクは出てきます。当然ながら無防備のナビ画面ならその大きさもあいまって傷が目立ちやすくなってしまうんです」。
今回の製品の硬度は4H程度とのことで、傷防止には相当な効果を発揮してくれるはずだ。なんせナビ画面は傷がついても機種変更するわけにもいかないですから……。
■反射を抑えて画面を見やすく
続いてナビ画面で厄介なのが反射。当然ながらクルマには複数のガラスがあり、走行しているといろいろなところから光が差し込む。光は日光だけではなく街灯だったり、ネオンだったり、後続車のヘッドライトだったりと、色味も光の強さもさまざま。
反射してなんだかナビが見えにくいなぁ……、という経験をした人も多いと思う。しかし反射を完全に抑え込むには外光を遮断するしかない。そうなるとクルマの構造は最悪の環境だ。
「最初は弊社もスマホの保護フィルムを作ってお客さまにもご支持いただいているメーカーでしたので、クルマのナビフィルムも正直なところ”いける”と思ったんです。しかしやっていくうちに難しさを知りました」と前述の霜田氏。
スマートフォンのように画面の向きを動かすことができないナビ画面だけに、その反射を上手に抑え込むのは非常に骨が折れる作業だったようだ。
なんせ開発中にはオープンカーで昼夜を問わず街中をひたすらドライブするという修行のような開発も行い、素材メーカーとの二人三脚で反射を極力抑えたフィルム(ARコート)を完成させたという。
また反射だけでなく指すべりのよさにも特筆しておきたい。近年のナビはスマホと同じく静電方式のタッチパネルであり、機種によっては二本指でのピンチ操作も必要になる。このあたりはスマホ用フィルムを手掛けてきたディーフだけに抜かりなり操作性も向上させているあたりはさすがだ。
■自動車メーカー純正部品レベルの耐候性をクリア
ここまで読んだあなた!! ナビに貼るフィルムって今までもあったよね、と気づいているはず。そうなんです、すでに先行製品はあったもののナビ画面に貼るフィルムとしてはディーフの狙うレベルに達していなかったと霜田さんはいう。
「真夏に駐車場のクルマに戻ったらヤケドしそうなほど熱くなっていることありますよね? 車内は80℃以上になることもあります。しかしエアコンスイッチやメーターの液晶など、いかなる部品も熱で壊れることはあまりありませんよね? そこが大切なんです」。
真夏の車内で貼ったフィルムの糊が溶け出したり、フィルムを剥がした時にナビ画面が汚れるなどのクルマの車内の超過酷な環境に対応する製品を出すと決意をしたという。
「もうそこからが戦いですよ(笑)。フィルムの素材メーカーさんに何度もお願いして高温の車内でも性能を発揮する素材を作り上げました。もちろん高温だけでなく前出の反射や操作性についてもクリアしないとならない。ようやく納得のいく製品になりました」。
暑さのことばかり書いたがもちろん極寒域にも対応。設計温度は-25℃~85℃まで。110℃の温度域でも性能を維持できる設計になっており、真冬の北海道から真夏の沖縄まで対応するまさに自動車メーカー純正部品レベルの性能を持っているフィルムなのだ。
施工についても大きな苦労があったようだ。
「車内ってホコリが多かったり、エアコンの空気の流れがあったりとフィルムを貼るには最悪の場所なんです。そこで湿布のように保護フィルムを剥がすことができる「キレセパ」と呼ばれる特許を使用したり、ベタベタしない特殊粘着層で位置決めをしやすくしています。この粘着層ならべたつかないのでホコリを噛んでしまってもセロファンテープなどで除去することができます」。
しかも付属する東レの「トレシー」というハイテククロスで仕上げをすれば画面のホコリや脂もスルっと除去できる(ちなみに洗ってスマホやPC画面をふくのにも使える)。なにからなにまで考えつくされた保護フィルム。まさに「純正部品レベル」と謳っても過言ではない超高品質フィルムなのだ。
■まずは日産車から全車対応スタート!!
単なる保護フィルムという枠を超えてクルマのナビ画面に特化した「マルチファンクション・スクリーン・プロテクター」。まずは日産車から販売をスタートする。しかもリーフを除く全車対応とそのバリエーションが凄い(リーフは7月中に対応)。
全国に先陣を切って取り扱いをスタートする日産プリンス名古屋販売サービス部の福岡靖氏に話を聞いてみた。
「スマホに貼るのになぜナビ画面にはフィルムを貼らないんですか……、ディーフさんにそう聞かれてドキッとする盲点でしたね。お客さまもまだまだフィルムを貼るという意識をお持ちではないので、当店をきっかけにこのフィルムを広めていきたいと思います」。
また取材当日は同店でフェアを実施中でこのフィルムも展示即売も実施された。購入した9人の日産車オーナーのうち5人はノートオーナー。ピアノブラックの加飾の傷が気になっていたとのことで、その場で施工してすぐ効果を実感したという。
当初ディーフが想定した以上にユーザーの満足度やコスパ面での評価が高いように感じたそうで、ナビ画面にはフィルムは当然という時代がやってくるかもしれない。前出の日産プリンス名古屋販売の福岡氏はこう続ける。
「日産のラインナップは現行のアリアのような大型ディスプレイも増えていくと思いますし、やはりお客さまにもナビの傷を心配される方は多くいらっしゃることが分かりました。新車とセット販売していったり、既販車への施工などいろいろお客さまの満足度充実に役立てていこうと思います」。
たしかにアリアのナビ画面は大きい、というかインパネがほとんどディスプレイ状態。今後もトレンドとしてはどんどん物理ボタンは減っていくだろうし、大型ディスプレイの隆盛は間違いないだろう。今後発売されるフェアレディZや新型エクストレイルにも対応しているとのことだから頼もしい。
新車に限らず旧型の日産車の純正ナビにもほとんど対応しているというこの製品。中古車などにも効果大で、すでに小傷が付いていてもフィルムがピタッと隙間を埋める性質を持っているから小傷が消えたように見えるという。
まずは日産車からスタートしていくというが、今後はメーカーをどんどん広げたいとのことだ。製品についての問い合わせはディーフのホームページもしくはディーフサポート窓口(TEL:06-4963-2797)まで。
装着については日産プリンス名古屋販売のディーラーまで(販売店舗は順次拡大予定)。
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