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<p>物理学の法則を破る「時間結晶」を15分以上も観察し続けることに成功、量子コンピューターの研究にも弾み</p><p>物理学の法則を破る「時間結晶」を15分以上も観察し続けることに成功、量子コンピューターの研究にも弾み</p><p>「時間結晶」とは、安定した物体が時間を通して変化しないという物理学の規則を破り、エネルギーの出入りがない基底状態でも運動を繰り返す物質の状態のことです。かつては「時間結晶は実現不可能」とも考えられてきましたが、近年では時間結晶の作成や時間結晶が振動する様子の撮影などが成功しています。新たにイギリスやフィンランドなどの研究チームが、「時間結晶を15分以上も観察し続ける」という実験に成功したと報告しました。</p><p>たとえば、安定した基底状態にある氷は変化することがなく、温度や圧力など外部の要因によって不安定になった時のみ変化します。しかし、時間結晶は安定した基底状態であっても変化し、外部とのエネルギーの出入りがないにもかかわらず、原子が振動したり回転したりする動きを永続的に維持することが可能です。 イギリス・ランカスター大学の物理学者であり今回の研究チームを率いたSamuli Autti氏は、「 は不可能であると誰もが知っています。しかし、量子物理学では目を閉じている限り、永久運動が可能となります。この亀裂をこっそり抜けることで、私たちは時間結晶を作ることができます」と述べています。 Autti氏らの研究チームは、時間結晶に対するエネルギーの出入りをなくすため、ヘリウムの同位体である</p>