ワンオフパーツの大量投入で唯一無二のロック仕様車が誕生
贅肉が徹底的に削ぎ落とされ、まさに走るためだけに生まれてきたといった印象のJB74。昨今のジムニーカスタムはアウトドア指向が強いが、そんな中、こういったスパルタンな印象の仕様は、むしろ新鮮ささえ覚えさせる。
このクルマのオーナーはJA11でロッククローリングを楽しんでいて、新たに入手したJB74にも自身のJA11ロック仕様車の雰囲気を求めたという。そのため制作者のマスターピースは、多くのパーツをワンオフで製作しており、まさにワン&オンリーのカスタムに仕上がった。フロントのパイプバンパーはウインチ対応で、リアはヒッチメンバー付きとした。ロック仕様車には欠かせないサイドトレイルバーも装備しており、いずれもワンオフで製作される。なおかつ特別仕様の塗装も施すといった凝りようだ。
サスペンションは、オーストラリア製のタフドッグダンパーを使用するタフドッグ80mmアップコンプリートキットで、このキットはラテラルロッド等の補正パーツもセットとなる。また、コイルスプリングはレッドでペイント。ホイール(ソリッドレーシング)のビードロックはシルバー、ディスクはレッドで仕上げるなど、細部に至るまでカスタムの手を緩めない。タイヤは245に変更することで車体にさらなる迫力をも演出している。その他、ステアリングダンパーやクロスメンバーダウンブラケット、前後ピボットガード等、同店のジムニー専用パーツを余すところなくインストールし、強烈な個性と圧倒的な走破性をほこるクルマに生まれ変わっている。
これだけの手を加えながらも、街乗りも何ら違和感なくこなすとのことで、同店の技術力の高さと豊富なノウハウにあらためて驚かされる。
廃道行くならこれでしょ! 本気仕様のJB74チューン
JB74のデモカーが続々と出てきている中、オフでの走りを1番の売りにしているサスペンションはあまりない。オンロードでの快適性や、ワインディングでのスポーツ性を重視し、オールラウンダー的な味付けをしているものが多い。
マスターピースのJB74も基本はオールラウンダーなのだが、その比率が他社とは異なるように感じられる。一般的な比率は、筆者が感じるにはオンロードが7でオフロードが3と言ったところ。しかし、マスターピースのJB74は、オフロードが6でオンロードが4のイメージがする。
これは奥原氏の発言からもよく分かる。「ジムニーはオフロード車やで。オフロード車はオフが走れてナンボや! 当然、移動にはオンロードも走る。そこは純正を超えていればいいんや。オフを走れんジムニーなんて要らんやろ! 当然ウチでもオンロード専用のジムニーは作る。でも、オフをターゲットにしたパッケージングで大したことないって言われんよう作り込んどるで!」。
テストフィールドはオンロードとクロカン。まずはオンロードから。80mmアップというリフト量はかなり大柄に見える。ファームセルタイプのフラットな特性のタフドックダンパーは、ストロークフィールがスムーズで乗り心地がいい。若干ロールを感じるが程よい傾きで止まってくれるので、慣れさえすればかなりいいペースで走れる。ステアリングの応答性にシビアさはなく、かといってルーズでもない。
次にオフロード。路面追従性が抜群。このサスペンションを1輪浮かせるのは至難の技だ。ストローク量も申し分なく、何より特筆すべきはドライビングインフォメーションが掴みやすいこと。さまざまな判断をするための情報が多いのだ。廃道行くなら一押しのサスペンションだ。
SHOP’s VOICE(奥原正之さん)
3インチアップに加え、245サイズのタイヤに変更することによって迫力を演出しました。弊社ではコンプリートカスタムも販売しておりますが、こういった特別なクルマや、持ち込み車両にも対応しております。
マスターピース 078-731-8585 http://www.4×4.co.jp/
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