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>21世紀、とりわけ2002年の日韓ワールドカップから出現したいわゆる「ネット保守」は、強い嫌韓感情を持つので、韓国を母体とした国際勝共連合および旧統一教会が、清和会と関係があったという事実を想像することが極めて難しい。
>ネット保守が強く支持する清和会こそが、韓国と関係があり、逆にネット保守が反日的・売国的などと批判してきた、宏池会や経世会系の方が、よほど韓国との関係性は薄いのである。この逆転現象は、端的に戦後の自民党史に対する無知から来るものだ。さらに言えば、日本共産党の方が、伝統的に韓国の軍事政権を「アメリカ帝国主義の手先」と見做して批判してきたので、嫌韓という一種類だけで見れば、日本共産党こそがかつてよほど嫌韓政党だったが、こういった歴史的事実は無視されている。
>この戦後保守における「常識」を知らないネット保守は、「自民党はなぜ韓国の竹島不法占拠に強い態度を取らないのか」という良く分からないことを言う。そもそも取れるはずがない。日本のタカ派や保守派が、国際勝共連合と関係がある以上、相手の母国に「竹島を返せ」と強く迫ることができる訳が無い。一方、国際勝共連合とは関係が薄い宏池会や経世会系は、日本による植民地支配という罪悪感が強く、また世論も永らくそうであったので、これも強く迫ることができない。総じて自民党が韓国に対し強硬に出る、ということ自体が構造的に無理筋な話なのである。よって「しがらみ」の薄い非自民のタカ派が希求されたわけだが、それが一時期の民主社会党(民社党)であった。古参の保守派には、旧民社党の流れをくむ人々は多い。