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 誤植のない完璧な紙面を追求するのか、時間で見切りをつけて発行し続けるのか。答えはもちろん両方だ。新聞制作システムの違いにかかわらず、編集の最後の工程にあたる制作現場はどこも慌ただしい。読者が読みやすく、かつ価値のある紙面を毎日届け続けるため皆必死だ▼長年、編集の仕事に携わっていると、巷に溢れる文章の細かいところまで気になる。漢字とひらがなの組み合わせ。誤読を避け読みやすくするために漢字に添える送り仮名には正確さを求める。コメントやインタビューなど本人の話言葉の部分に、敬語を丁寧にしようと気を遣い「お」や「ご」が連続するケースも目に付く▼新聞記事では見かけないが、よく耳にする「ら抜き言葉」。若者言葉のようだが江戸時代から使われているらしく、方言のある地方では当たり前になっているところも。若者言葉の多くは次々に現れては消えていく。これも流行りに敏感な世代ならではだろう▼SNSのやり取りで最近、ようやく抵抗がなくなった「り」。もちろん了解を表すものだが、今は「了解道中膝栗毛」なるものも存在する。全く略語になっていないのだが、面白みがあるから流行るのだ。本家に登場する弥次喜多のコミカルな掛け合いを想像すればなおさらだ。流行と面白み、新聞記事にも必要な要素である。(22・7・13)

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