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2023年が待ち遠しい…!! 新型アルファードへの期待と現行型の強み

 国産高級ミニバンの中で一番売れている、トヨタ「アルファード」。2022年4月の販売台数は6,699台と、なんとコンパクトSUVのライズよりも売れたという驚きの結果となった。

 現行型ですでに「皇帝」と呼ばれるアルファードだが、来年2023年にはモデルチェンジを控えており、新型ではここからさらなる「進化」が求められる。次期型アルファードにはどのような性能を期待したらいいのか、現行型の強みを踏まえつつ、考察しよう。

文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA

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日本市場を意識した高級感と、選択肢の広さが魅力

 まずはアルファードについてざっと振り返っておこう。アルファードの初代モデルは2002年に登場。「高級ミニバン」として、一足先にヒットした初代日産エルグランドに真っ向勝負を挑むかたちでトヨタが用意した、ラージサイズのミニバンだ。

 2代目エスティマにも採用されたFFベースのプラットフォームを採用したことによる広い室内空間をもちながら、日本のマーケットを意識した高級感と、ファミリーカーとして受け入れられる選択肢の広さで高い支持を集めたアルファードは、2008年に登場した2代目で、2列目シートがまるで社長室のイスのように豪華な「エグゼクティブパワーシート」も用意したことで、送迎車やハイヤー、社用車として好んで選ばれるようになる。

 現行型は2015年にデビュー。スタイリッシュなLEDヘッドランプにバンパー下部まで広がる超大型グリルが採用され、力強く堂々とした雰囲気のデザインに仕上がった。最新の安全運転支援システムやエンターテインメント機能はもちろんのこと、最上級グレード「エグゼクティブラウンジ」も設定されるなど、高級車として文句のつけようのない仕上がりとなった。

 2017年のマイナーチェンジでは3眼タイプのLEDヘッドランプにさらに派手な意匠のフロントグリルで力強さとギラギラ感がアップ。このマイナーチェンジを機に、アルファードがヴェルファイアの台数を抜き、あっという間にアルファードの天下となった。

2002年発売の初代アルファード。FFベースのプラットフォームで室内は広く、日本人の感覚に寄せた高級感であっという間に人気を獲得した

全長×全幅×全高はフルコピで!!

 2023年登場といわれている次期型アルファードだが、まず、変えてはならないのが居住性の良さと視界の高さだ。そのため、全長×全幅×全高は現状を維持し、乗員のアイポイントの高さは変更してはならない。むしろ、プラットフォームの更新などで重心を下げつつも、ドライバーの見下ろし感は、いま以上に高めることが重要だろう。背が高くとも走りは安定している、というのが、次期型アルファードが目指すべきところだ。

 そのうえで、遅れていた先進運転支援技術のキャッチアップも必須。新型ノア/ヴォクシーで搭載されている、最新のトヨタチームメイトでは、作動条件が揃えば渋滞時にハンズオフも可能となる。同じくノア/ヴォクで搭載された自動駐車システムなどの搭載も必須だ。人気モデルのアルファードであれば、この手のシステムは間違いなく搭載されるであろう。

 インテリアは、特に、運転席周りのデジタルメーターの刷新が求められるところだ。2022年5月末に登場したレクサスRXでは、タッチパネル式の14インチサイズの大型液晶モニターをセンターに添え、ドライバー前にも大型のデジタルメーターを備えている。2枚の大型モニターを横に並べることで、先進性に溢れた新世代のインテリアになることを期待したい。

 パワートレインも、ベーシックな2.5Lガソリンエンジンの刷新に期待したい。アルファードは販売の約70%が、2.5L 直4ガソリンモデルで占められているそうだ。価格や燃費の面で有利な廉価グレードの方が、人気は高い。おそらく次期型アルファードには、既存のストロングハイブリッドの他にも、新型レクサスRXに搭載された2.5Lプラグインハイブリッドや、2.4Lハイブリッドターボなど、パフォーマンスと環境対策を両立したパワートレインが追加されるだろうが、どれも高価格車となる。ユーザーが買いやすい、2.5Lガソリンモデルを存続させるためにも、新世代の2.5L級ガソリンモデルは必要となるだろう。

アルファードの時代はまだまだ続く

 トヨタは、アルファードが成功してきた理由を、はっきりと理解しているだろう。であれば、次期型も同じ路線で登場させるはずだ。電動化戦略、モビリティのあり方に変化が生じている時代ではあるが、まだしばらくは、アルファードの価値観が保たれていくに違いない。「絶対王者」の風格がどこまで昇華していくのか、今から楽しみだ。

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