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許すまじ!! まん延する「コンビニワープ」の違法性と実情

 信号のある交差点に面したコンビニの駐車場を、斜めに横断してショートカットする、通称「コンビニワープ」が問題となっている。2020年には、3歳の女の子を、ショートカットしてきたトラックが跳ねる、という悲惨な死亡事故までも発生している。

 非常に危険な行為なのに、取り締まりを行っている様子はない。コンビニワープに違法性はないのだろうか、実情を考えながら考察する。

文:吉川賢一
アイキャッチ写真:写真AC_ sakurachanne
写真:Adobe Stock、写真AC

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焦っているために、安全確認が不十分になりやすい

 一般的に「コンビニワープ」と呼ばれるが、コンビニの駐車場だけでなく、ガソリンスタンドや飲食店の駐車場、会社の駐車場など、交差点の角にあって容易に通過できる場所で、同様のワープは行われている。交差点での信号待ちが長く発生する場所や、左折をして狭い道へ曲がる場合など、1台ならず複数台が続いてワープすることもあるような「魔の場所」まであるという。

 モラル的な問題をいったん無視すれば、コンビニの駐車場に入って、入ってきた道路と交差する道路へ出る、という行為自体に残念ながら違法性はない。ただ、コンビニワープをするクルマは、僅か数十秒の赤信号を待つことができないドライバーであるため、減速をすることなく突っ切るクルマも多い。コンビニの駐車場へ入る際には、多くの場合歩道を突っ切ることになるが、歩道に進入する手前で一時停止なんておそらくしない。

 自分だけが「得」をするため、信号が変わってワープをしたことが「損」にならないよう、急いで交差する道路へと出ようとする。歩道や駐車場にいる歩行者や二輪車、他のクルマの動向など見向きもしないで、焦って突っ切っていく。だから危険なのだ。

徐行すべき駐車場内を速度を落とさずに横切ることは、大変危険な行為だ(PHOTO:Adobe Stock_ show999)

対策は難しいが「安全運転義務違反」となる可能性はある

 対策をしようとすると、ポールやガードなど、何らかの障害物をおくことになるが、コンビニのオーナーとしては、クルマが行き来しにくくなるような対策は売り上げにも影響することから難しい。コンビニ側としては、「通り抜け禁止」や、「駐車場内で起きた事故については一切関与しない」という張り紙を掲げるなど、予め事故やトラブルへの不介入の態度を示しておくことで、未然対策をするにとどまっているようだ。

 警察はというと、コンビニの駐車場は私有地ではあるが、コンビニの駐車場のような不特定多数が安易に出入りできる場所は「公に供される場所」つまり「公道」という判決が過去にある。公道であれば道路交通法の規制の範疇であり、安全運転義務違反(道交法第70条第1項、安全不確認)などで取り締まりを行うことはできる。また、歩道を横切るときの一時停止の違反でも取り締まることができるだろう。しかし、コンビニオーナーへの配慮や、(取り締まり場所の)優先順位などがあって、なかなか難しいのだろう。

いますぐやめてほしい

 現代では、高精細な録画ができる監視カメラ、各クルマにはドライブレコーダー、通行人もスマホをほぼ全員が持っている時代だ。暴走したり、毎日のように繰り返しワープするなど、悪質性が認められれば、前述したように、「安全義務違反」として検挙される可能性は十分にある。

 自分勝手な行動は、いつか自分に返ってくる。心当たりのあるドライバーは、いますぐやめるようにしてほしい。

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