フェラーリはF1第8戦アゼルバイジャンGPで苦しんだエンジンの不具合に関して見当がついておらず、チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、フェラーリにはまだ「完全な信頼性がない」という厳しい現実を認めた。
ポールポジションを獲得したシャルル・ルクレールは、パワーユニットのトラブルの犠牲となり、アゼルバイジャンGPの決勝レースをリード中に戦線離脱を強いられた。またその日の早い段階でリタイアしたチームメイトのカルロス・サインツは、油圧の問題に見舞われたとされている。
なお、バクーではフェラーリのカスタマーチームであるハースのケビン・マグヌッセンとアルファロメオの周冠宇がリタイアを喫しており、エンジンが関係している可能性があることから懸念材料となっている。
レース直後、ビノットはその日の出来事に言及したが、チームは大きな犠牲を生み出した不具合についてすぐに説明することができないと明らかにした。
「まだ分析して理解する必要がある」とビノットは語った。「2台のマシンについてそうできると思う。それぞれに違う問題があった。カルロスについては油圧システムを調べる予定で、うまくいけば問題を特定できるだろう」
「シャルルの方は違う問題で、確かにエンジンが関係している。煙が上がったことからもそれは一目瞭然だと思う。過去にもあったことだろうか? そうは思わないが、そうかもしれない。そして我々のカスタマーチームに何が起きたのかも調べていく」
「しかしテレメトリーデータだけでは、問題への明確な答えが得られない。コンポーネントはマラネロに返送され、いつものように分解される。できるだけ早く理解し、修正を行うためだ」
「品質、信頼性、その他の何か、または使い方によるものなのか? まだ分からない。しかし信頼性の問題を多く抱えているので、懸念があるということに間違いはない」
「ここバクーに来る前から話していたと思う。信頼性は常にひとつの要素で、パフォーマンスと同じように戦いのなかで重要な要素だ」
「チームとして、マシンの開発のために昨年の冬を通して多くのことを推し進めた。我々の信頼性はまだ完全ではないことが証明された。今もやるべきことがいくつかある」
ビノットは、不具合の原因は同じではない可能性が高く、異なる修正が必要になると語った。
「これらすべての問題は同じものというわけではない。一部のことは非常に迅速に修正できるものかもしれないが、分からない。正直なところ、分析して理解する時間をとる必要があると思う」
「一部は過去(にあった問題)と同じかもしれないし、違うかもしれない」
ハースとアルファロメオが喫したリタイアについて、ビノットはそれらについても調査が必要だろうと語った。
「周(のリタイア)は我々が供給したコンポーネントとは関係がないかもしれない」とビノット。「しかしもう一度見直すべきことだ。一般的に、コースで起きたことは常に役に立つ」
「我々がカスタマーチームへの供給を行っている理由は、ビジネスのためというよりも、技術的なフィードバックを得るという理由が大きい。だから何が起きていてもそれは確実に役に立つし、フェラーリマシンに搭載されているものと同じくらい、彼らのコンポーネントの分析に時間をかけるのだ」