レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、F1オーストリアGP決勝1周目にセルジオ・ペレスが試みたオーバーテイクを批判した。ペレスはターン4アウト側からジョージ・ラッセル(メルセデス)を抜こうとして接触、最終的にリタイアすることとなった。
ラッセルは、この接触の責任があると判断されて、5秒のタイムペナルティを受けた。しかしラッセルはそのペナルティを消化した上で、最終的に4位でフィニッシュすることができた。一方のペレスは、5番グリッドからスタートしながら、接触によってグラベルに飛び出し、ピットストップを行って最後尾に後退。マシンにダメージがあり、最終的にはチームはペレスをリタイアさせることを決めた。
レース直後、ペレスはラッセルに対して激怒しており、「僕が明らかに前に出ていた。ジョージが自分のマシンをコントロールすればよかっただけなのに、彼はそれができずに接触が起きてしまった。僕には他にどうすることもできなかった」と語っている。
しかしレース後、マルコはペレスに対して苦言を呈した。レッドブルリンクのターン4ではしばしば事故が起きているため、そこでアウト側から追い越しを試みるのは避けるよう、レース前に注意していたという。
「スタート前に、『あのコーナーでアウト側から回り込むな』と言っておいたのに。あれはあり得ない」と『Sky Sport Germany』に対してマルコは語った。
「不必要な行動だった。前にもああいうケースを見ている。あの動きはうまくいかないのだ。接触の後、(ペレスのマシンの)フロアに大きなダメージをあった。(リタイアせずに走り続けていれば)2周後れでフィニッシュできたかもしれないが、それでは意味がない。マイレージをセーブする方が良かった」
ペレスは2021年オーストリアGPでも、ターン4でランド・ノリス(マクラーレン)とバトルをするなかでコースオフを喫している。また、2020年には同じ場所でルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜こうとしたアレクサンダー・アルボン(レッドブル)が接触し、コース外に飛び出した。
「メルセデスはターン4で我々のマシンがアウト側に回り込むのが気に入らないのだろう。チェコが(ラッセルより)前に出ていただけに残念だった」とマルコは語った。
「数年前のルイスとアルボンの間に起きたインシデントと全く同じだった。あそこで十分なスペースを得られなかったことが残念だ」