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 元F1最高権威者のバーニー・エクレストンが、4億ポンド(約651億4800万円)の海外資産について、「虚偽の報告による詐欺」の罪で、イギリス検察庁(CPS)に起訴された。

 このところのエクレストンは、見出しになるような話題を提供しては窮地に追い込まれることが多い。世論という法廷にさらされることもある一方で、イギリスで刑事訴追を担う主要な公的機関であるCPSの追求も受けている。

 ウクライナの戦争との関連で、ロシアのウラジミール・プーチン大統領を支持するかのような発言を行って謝罪に追い込まれた数日後、現在91歳のエクレストンはそれよりもはるかに深刻な問題を抱えることになった。CPSによれば4億ポンドを超える価値の在外資産について、申告を怠った罪で告訴されたのだ。

ファビアナ・エクレストン&バーニー・エクレストン
2019年F1第16戦ロシアGP ファビアナ・エクレストン&バーニー・エクレストン

「これは、HMRC(英国歳入関税庁)の詐欺調査局が行った、複雑かつ世界規模の調査を受けたものだ」と、HMRCの詐欺調査局ディレクター、サイモン・ヨークは述べた。

「HMRCから隠ぺいされていた4億ポンド以上の在外資産について、納税義務があると推定されたため、刑事訴追に踏み切った」

「HMRCは誠実な納税者の側に立っている。税金詐欺が疑われる件は、それがどこであれ厳しい措置をとる。我々のメッセージは明快だ。誰ひとり我々から逃れることはできない」

「皆さんには、どんな形であれ訴訟手続きの妨げになるような情報の論評や共有は控えるよう、留意していただきたい。現在は裁判所の管轄になっており、我々はこれ以上コメントしない」

 エクレストンは個人資産の大半を、F1の商業権を取得し、その後数十年にわたってF1を巨大なスポーツとエンターテインメントの大組織に成長させたことで蓄えた。その額は30億ポンド(約4886億1000万円)相当とも言われている。