2022.06.11 - 全日本ラリー選手権 第5戦 MONTRE 2022 Leg1
パンクなどに悩まされながらも鎌田が初日5番手
6月11日(土)、2022年全日本ラリー選手権第5戦MONTRE 2022の競技初日が行われました。SUBARU WRX STIの鎌田卓麻/松本優一はJN1クラスの5番手につけ、最終日でのポジションアップを狙います。また、新井敏弘/田中直哉はSS2でクラッシュ。車両のダメージが大きいため、ラリーの続行を諦めることとなりました。
■好タイムをマークするものの、荒れた路面に阻まれる展開に
シーズン後半戦に突入する第5戦モントレーの舞台は、SUBARUの地元群馬県。県南西エリアのワインディングロードで2日間、合計125.54kmのSSが設定されます。コンディションは梅雨時らしく終日雲に覆われており、場所によって局地的な大雨に見舞われる難しいものとなりました。また、SSによっては路面がひどく荒れている区間があるなど、ひと筋縄では行かない難しさが大きな特徴です。
SUBARU勢は、SS1で新井が地元の意地を見せるベストタイムをマーク。ところが続くSS2、新井は右コーナーでアウト側に膨らみ、運転席側から橋の欄干に激しく接触してしまいます。クルーふたりにケガはなかったものの、クルマのダメージは大きく、ロールケージにまで損傷がおよんでいるため、明日の再出走も不可能となり、不完全燃焼な状態でラリーを終えることとなりました。
一方の鎌田は、SS1でスローパンクチャー、SS2では荒れた路面の穴に注意を払いながらもタイヤをパンクさせてしまい、JN1クラス11番手まで一時順位を落としてしまいます。鎌田は諦めずにアタックを続け、SS3では3番手タイムを刻み、JN1クラスの6番手に復帰。サービスを挟んだSS4でも3番手タイムをマークし、順位アップの機会をうかがいます。
続くSS5ではふたたびタイヤをパンクさせてしまいますが、SS6ではJN1クラス5番手に浮上しました。とはいえこのSSでは、ターボのブースト圧がかからなくなるトラブルに見舞われており、順調とは言いがたい状況で初日を終えることとなりました。
なお、SUBARU BRZが参戦するJN3クラスでは、竹内源樹/木村悟士がクラス2番手の久保 凜太郎/大倉瞳に1分1秒9差をつけて首位。シーズン3勝目を目指します。
■鎌田卓麻「明日は気持ちを切り替えて臨みます」
JN1クラス5番手につける鎌田は、「序盤から厳しい展開の1日となりました。どこにも当てていないし、注意して走っているんですが。午後も、SS5で左フロントタイヤをパンクさせてしまい、SS6ではエキゾースト関係にダメージがあったのかブーストがかからず、なかなかつらい展開となってしまいました。明日は気持ちを切り替えて、レグポイントをしっかりと狙います。明日は道もいいので、気持ち良く走って終えたいですね」と、最終日への意気込みを語りました。
競技最終日の6月12日(日)は、SS7~SS10の4SSで争われます。2SSを2度走行するかたちで構成され、SS8/10の『Grandma. Kimura』は大会最長SS距離の21.92km。レグポイントとポジションアップを狙う鎌田の力走にご期待ください。
2022.06.12 - 全日本ラリー選手権 第5戦 MONTRE 2022 Leg2
鎌田卓麻、最終SSでトラブルも6位で完走
6月12日(日)に競技最終日が行われた全日本ラリー選手権第5戦 MONTRE 2022は、SUBARU WRX STIの鎌田卓麻/松本優一が、一時はJN1クラスの4番手にまで順位を上げたものの、最終SSでパンクに見舞われ、6位で完走を果たしました。
■一時クラス4番手まで順位を上げた鎌田
ラリー最終日は、SS7~SS10の4SS、SS走行距離45.36kmで争われます。2SSを2度走る構成で、SS7/9の『Zebra(0.76km)』は観戦エリアが設けられた大会最短のSS、一方のSS10/12『Grandma. Kimura(21.92km)』は大会最長のSS。特にSS10/12はハイスピード区間が長く、まさにこの日の勝負どころ。天候の行方も睨みながら、最終日の幕が上がりました。
前日をJN1クラス5番手で終えた鎌田は、SS8で3番手タイム、続くSS9で5番手タイムをマークし、JN1クラスの4番手に浮上しました。前日のマシントラブルはチームの修復によりすっかり解消しており、順位を上げつつ、上位の選手たちにもプレッシャーをかけていきます。
ところが最終SS、鎌田はコーナリング中にタイヤがパンクしてしまい、ステージ途中でのタイヤ交換を余儀なくさたことで、大きくタイムを失ってしまいます。SSは走り切ったものの、最終的にJN1クラス6位でラリーを終えることとなりました。
また、JN3クラスに新型SUBARU BRZで参戦していた竹内源樹/木村悟士は、前日の順位を活かして今大会でシーズン3勝目を獲得。2位には久保凜太郎/大倉瞳(ZC6)、3位に加納武彦/横手聡志(ZC6)が入り、新旧のSUBARU BRZが表彰台を独占しました。
■鎌田卓麻「最後のSSでパンクしてしまいました」
鎌田は、「最後のSSでパンクしてしまいました。パンクした場所はコースの前半だったので、SSの途中で交換作業をしたため大きくタイムロスしてしまいました。手応えはありますが、スピードが上がっている分、クルマのいろいろな部分に負荷がかかっているのかもしれません。次戦からはグラベルラリーです。本番前にテストの機会がありますし、スピードアップに繋がるなにかを探したいです。ターマックのデータをグラベルに活かせることもあるので、いろいろ試して本番を迎えたいですね」と、今後への意気込みを語っています。
また、新井は「SS1で良いタイムが出せた点はポジティブでした。次戦では、路面がターマックからグラベルに変わります。クルマをできるだけ軽くして、なんとか頑張りたいです。カムイでも、いい勝負はできるはずです」と、気持ちを切り替えてグラベルラリー連戦へと向かいます。
■ディーラーメカニックコメント「ようやく今年念願が叶いました」
・担当車両:WinmaX DLシムス WRX STI
・齋藤拓
・山形スバル株式会社天童店 メカニック
数年前、TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレースにメカニックとして参加し、今回初めて全日本ラリーに参加するという齋藤。担当箇所として車両の左リヤまわりを任されました。
「ひと言で言うと、とにかく楽しかったです。実は秋田で開催される全日本ラリーに参加する予定だったのですが、新型コロナウイルス禍で大会が中止になってしまいました。ですから、参加できる時を楽しみにしていました」
ラリーで印象的だった部分を聞くと、「チームのメカニックの方がクルマを熟知していて、とても勉強になりました。それに、動きにまったく無駄がありません。作業の順番が頭に入っているだけでなく、誰か作業している時は、別の方が工程を先回りしてサポートし、時間が限られているなかで無駄や間違いのない作業が行えるようになっている。チームワークがすごくいいんだなと感じました。クルマの構造自体は、私たちが普段業務で触れるWRX STIと大きくは変わらないのですが、素早く整備するために工夫されているところなども非常に勉強になった点だと思います」との答えが返ってきました。
ラリーでは、厳しい時間制限のもとクルマを整備しなければなりません。その点においては、「普段の業務でもお客様をお待たせせずに作業を完了できるよう、いつも心がけてはいます。しかし今回、一層厳しいラリーという競技のなかで、手順や工程などを見直し、日々意識して仕事をすることで改善できる部分が多々あると感じました。店舗に戻ったら、ラリーで学んだことを振り返りつつ、日々の業務に活かしていきたいと思います」とのこと。
チームに参加した3日間をあらためて振り返ってもらうと、「チーム全員で協力しつつ、100%確実にやり切って自信を持って『大丈夫です』と選手を送り出せるよう心がけていました。そうした部分は、店舗でお客様にも信頼していただけるよう、今後も強く意識しながら作業していきたいと思います」と、力強くコメントしてくれました。
■SUBARUブースではトークショーやサイン会も実施
また、今回のラリーでは、群馬サファリパーク内駐車場に設置された『ラリーパーク』のSUBARUブースにおいて、開発者トークショーやドライバーによるサイン会を実施し、多くのお客様にお越しいただきました。
次戦は7月8日~10日に開催される第6戦『ARKラリー・カムイ』です。北海道虻田郡ニセコ町を拠点とする、今シーズン初の未舗装路(グラベル)ラリーです。昨年、僅差で優勝を争う走りを見せたSUBARU WRX STIの力走に応援をよろしくお願いします。