NTTインディカー・シリーズに参戦しているコルトン・ハータは、ポルトガルでマクラーレンF1チームとの2日間のテストを行った。
ハータはTPC(Testing of Previous Cars)のテストルールの下、アルガルベのコースで2021年仕様のマクラーレンMCL35Mで162周を走行した。ハータはステアリングを握ってすぐに好感触を得たという。
「すごく楽しかった。マシンに慣れるのに最高の2日間だった。もちろん僕がドライビングに慣れているマシンとはかなり違うけれどね」とインディカーで7度の優勝経験を持つハータはメディアに語った。
「少々異なるドライビングスタイルだったけれど、エンジニアたちは僕がスピードを出せるように本当に助けてくれた。それにドライブしたマシンといったら、すごく特別なものだ。僕にとって最高の経験だ」
マクラーレンからラップタイムの発表はなかった。昨年はポルトガルGPで同サーキットをランド・ノリスとダニエル・リカルドが走行したが、ハータは比較は難しいと強調した。
「このコースはそうした側面を理解するのがとても難しい。風や、多くの異なる要因があるからね。今日はレースウイークに比べたら少し涼しい」
「ラップタイムには満足している。でも僕たちはレースウイークとは少し違うタイヤを使っていた」
「それに1年前の多くのドライバーのコメントを振り返ると、ここではいかに風が強くなるか、そのためにマシンがコーナーからコーナーでどれだけ変わるかということを話していた。だからラップタイムについて話すのは難しいんだ。エンジニアたちはデータを見てから、速かったか遅かったかを理解することになると思う」
22歳のハータは、初のF1マシンでの走行の後、F1で十分な速さを出せると感じたかと尋ねられると、予想どおりの回答をした。
「そうだね。その質問にノーとは言えないし、そうでなければプロのドライバーではないよ。だから僕は自分が十分に速いと思う」
「彼らが同意するかどうかは時間が経てば分かるだろう。さらに走行チャンスをつかめるよう願っているし、速さを見せられるといいと思う」
ハータは、マクラーレンの2021年型マシンに乗ってすぐに良い感触をつかんだ一方で、ラップをまとめ上げるのは1日半の大部分を占める訓練だったと述べた。
「すぐに心地よさを感じた」とハータ。「一番重要だったのは、ラップをまとめあげることだった」
「1日のなかで限界まで達したように感じたが、それは別々のコーナーをまとめあげるということだ」
「2日目の終わりには、燃料が少ない時と多い時、その中間にある時の走行をまとめることにかなり自信を持てていた。確かに時間はかかったけれどね」
ハータによれば、マクラーレンのF1マシンは彼がインディカーで走らせているアンドレッティ・オートスポートのダラーラDW12-ホンダと比べると「まったく違う感触」だったという。
「まず、ピットレーンのスピードリミッターが外れてからのトルクは信じられないほどのものだったと思う。あれほど低い回転数でもそうだった。ストレートでのスピード、加速、ブレーキングは僕にとってとても大きなことだった」
「もちろんコーナリングスピードはインディカーより速いけれど、僕にとっては加速ほど目新しいことではなかった。それにダウンフォースがあるから楽だった」
「完全に違う感じだ。当然ながら、インディカーから受ける感触は大きく違ってくる。パワーステアリングがないからだ」
「つまりホイールの全体的な反動となめらかさは、グランプリマシンが受けている影響を実際に表しているわけではない」
「そこが慣れていく部分だった。両手をリラックスさせるんだ。そしてもちろんスピードはロードコースではさらに速くなる。でも全体的に、フィーリングをつかみ、こうしたことから何ができるのか味わえてよかったよ」
今後マクラーレンは、2022年に2回の実施が義務化されている若手ドライバーによる金曜フリー走行のうち、少なくとも1回をハータに割り当てる可能性が高い。そしてハータはF1参戦を彼の計画に入れており、レース参戦を10年などではなく、今後2、3年のうちに実現させようとしている。
「そんなに長く待っていたら、実現しないのは確かだ」
「今の時代、F1に参戦しようというのは間違いなく若いドライバーだ。幸い、チャンスが訪れたら僕には多少時間がある。今の時点ではそれほど心配していないよ」
「できるだけ早く実現させたいし、ある時点でいくつかのドアを開けられることを願っている」