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シンプルでありながら存在感のあるカスタム

「シンプル」。それが、エンジニアリングサービスのJB64を見た最初の印象だ。ボディカラーはグレー。前後バンパーは純正。派手なチューニングパーツは何ひとつ付いていない。しかし、なぜか存在感がある。その源は、このクルマに装着されているブラッドレーのせいだろう。

古くからの四駆ユーザーには定番の変わらないデザイン。スポークホイールの王道とも言える5本スポーク。虚飾の一切ないシンプルなデザインが、定番中の定番といえる存在感を醸し出している。そして、このホイールには実績もある。さまざまなラリーレイドでの入賞実績。過酷なオフロードレースにおいて、他社製のホイールがパンク時にホイールが割れて、交換を余儀なくされている時に、パンクしたままゴールするという離れ技をやってのけたのはこのホイールだけ。数々の歴史がある意味オーラとなってこのブラッドレーVエボリューションは纏っている。

シンプルなパイプで構成されたリアラダー。十分な剛性を確保し、実使用に耐えられる作りとなっている。

もっともメジャーで懐かしく感じるのが、このホワイトのブラッドレーVエボリューションだろう。

ファルケンの新たなタイヤが装着。WILDPEAK M/T01は、オンオフ両刀のオールラウンダーだ。

一般には知られていないが、当時のブラッドレーを知るユーザーには信じられない進化を遂げている。ブラッドレー=重いホイールというのが昔の定説だった。肉厚での丈夫さを、重さのデメリットと引き換えに手に入れたホイールだった。しかし、製造技術が進化した今、同等の剛性と軽さを両立しているのだ。

リフト量は30mmアップという控えめな数値だが、もっともオールラウンドに使えるリフト量だ。

必要な補正を行い最小限のパッケージで価格を抑え、チューニングの楽しさを知る敷居を下げる。

あえて多めにキャスター補正を行い、ステアリングフィールを向上させている。かなり好印象だ。

原点回帰をテーマにした、レトロデザインのJB64に、ブラッドレーVエボリューションはピッタリといえる。伝統のデザインに最新技術を導入。そこに、エンジニアリングがKYB、中発と手を組み、ハーモフレック、SASCなどの上位グレードの最新技術を導入したサスペンションを装着したデモカーに、余計な装飾はいらない。本物が持つ雰囲気が、もっとも効果的なドレスアップなのだ。

エントリーユーザーだけでなくエキスパートにも乗って欲しい

目の前の現車はライトチューンのストリートマシンに見える。「ちょい上げのエントリーユーザー向けかな?」という印象だ。JB64は、パッセンジャーカーからの乗り換え組やジムニー初デビューのユーザーが多く、控えめなリフト量が人気。

キャスター補正を含めた最小限のキット構成でパッケージングされている。ブルーがいい感じなのだ。

JB64から純正で採用されたステアリングダンパーを大容量タイプのものに交換。重くならずに効果は絶大だ。

しかし、エンジニアリングのキットアイテムの内容を聞いて少し印象が変わる。KYB製のダンパーは、ハーモフレックと呼ばれる最新機構を導入。遅いスピード域ではしなやかに動き、乗り心地重視。速い速度や大きな衝撃が入った場合に減衰力が高まり、姿勢を安定させる。さらに、初期状態の減衰力を任意で設定できる14段調整式。走りのスタイルなどに合わせ調整可能。次にコイルスプリング。中発のSASCを採用。3リンクの宿命とも言える扇状のストローク曲線において、コイルスプリングのバネ乗数が安定して発揮できるようにする特殊技術。これにより、弓形になったコイルスプリングでも中間応力の低下を防ぎ、しなやかながら腰のある性能を手に入れることが可能となる。

リアまわりもシンプル。コイル、ダンパー、ラテラルロッドの交換でこの性能が手に入る。一つ一つのグレードが高い。

中発のSASCと呼ばれる最新機構を採用したコイルスプリング。常に安定したバネ定数を発揮する最新機構なのだ。

今回のインプレフィールドはオンロードとダート。オンロードでの乗り心地は快適そのもの。しなやかに動くサスペンションは、文句の付け所がない。スピードを上げていくと想像と違う現象が起こる。ロール量が少ないのだ。硬さを感じずに踏ん張りが効いている。安心してアクセルが踏める。ダートではコントロール性の良さが光る。コーナー進入時や立ち上がり時の姿勢も作りやすいので、意図的にリアをスライドさせることも可能。トラクション性能が良く、踏んだ分だけ前に進む印象。

KYB製の14段調整式ダンパー。リアにはハーモフレックと呼ばれる低速時には柔らかく、高速時、高荷重時にはコシを生み出すダンパーを装着。

14段の調整機構は、ドライバーの乗り方を選ばない。走りのスタイルに応じて前後バランスを変更することを可能とした。

控えめに感じた30mmというリフト量だが、すべてをハイレベルでこなすには最適なリフト量なのだと理解した。エントリーユーザーからエキスパートまで満足できる味付けだ。

SHOP’s VOICE(住本麗次さん)

往年のホイールと思われているブラッドレーを最新技術でリメイク。重いと言われていたブラッドレーが軽量高剛性を手に入れ、再度、ジムニー業界を席巻します!

フォーバイフォー エンジニアリングサービス ☎052-715-4411 http://www.4x4es.co.jp/

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