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<p>参政党とは何か?「オーガニック信仰」が生んだ異形の右派政党</p><p>参政党とは何か?「オーガニック信仰」が生んだ異形の右派政党 「自尊史観」を唱え「天皇中心の国」を掲げながら、保守論壇からもネット保守からも支持らしい支持は受けていない。では誰が支持しているのか。答えは、もう一方の重点政策「食と健康、環境保全」にある #参政党</p><p><「自尊史観」を唱え「天皇中心の国」を掲げながら、保守論壇からもネット保守からも…</p><p>参政党は今回の選挙で「政党」に昇格。写真左下は東京選挙区に立候補した同党の河西泉緒氏(6月22日、東京) Issei Kato-REUTERS <「自尊史観」を唱え「天皇中心の国」を掲げながら、保守論壇からもネット保守からも支持らしい支持は受けていない。では誰が支持しているのか。答えは、もう一方の重点政策「食と健康、環境保全」にある> 政治団体「参政党」が今回の参院選挙全国比例で1議席(神谷宗幣氏)を獲得した (今回選挙で"政党"に昇格)。当初泡沫と思われた参政党はなぜ議席を獲得したのか。実は、当選した同党事務局長の神谷宗幣氏と私は約10年前に出会った。彼と一緒に少なくない期間、仕事をした経験もある。神谷氏とはいったいどのような人物なのだろうか。彼の思想から参政党は如何にして生まれたのか。令和の政界に突如として現れた参政党の実態に迫る──。 参政党は2020年4月に政治団体として結成された。 結党当初の5人のボードメンバーのうち、神谷氏を除く3人が現在に至るまで意見対立により同党を離れるなど、短期間で主要幹部が大きく入れ替わっている。その原因の多くは、2020年末~2021年初頭に保守界隈で沸き起こった「バイデン候補陣営の不正選挙」を信じるか、信じないか(いわゆる勝ち組・負け組論争)という保守界隈の内部抗争だった。 結果的にこの時「トランプ前大統領の勝利を信じ、バイデン候補の不正選挙を糾弾する」とした側が参政党に残る形になった。参政党が「日本版Qアノン」などと揶揄される所以はここである。 「天皇を中心とした国家」謳う さて、同党綱領には「先人の叡智を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる」「日本国の自立と繁栄を追求し、人類の発展に寄与する」「日本の精神と伝統を活かし、調和社会のモデルをつくる」とある。 のっけから「天皇を中心とした国家」を謳い、強い保守色がある。 また同党は、三つの重点政策として、1)「子供の教育」、2)「食と健康、環境保全」、3)「国のまもり」を掲げる。 1)の「子供の教育」については、"学力(テストの点数)より学習力(自ら考え自ら学ぶ力)の高い日本人の育成"を謳い、「国や地域、伝統を大切に思える自尊史観の教育」を掲げ、自尊史観(造語)の対義語としていわゆる「(リベラルによる)自虐史観」を想定していると思われ、保守色が強い。 3)「国のまもり」では特に"日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくり"と謳って「外国資本による企業買収や土地買収が困難になる法律の制定」「外国人労働者の増加を抑制し、外国人参政権を認めない」とあり更に保守色が濃い。 尤もこういった重点政策は、参政党特有のものではなく近年にあって、新興の保守政党に特有のもので目新しさはない。過去にも『太陽の党』『次世代の党』が類似かそれに近しい政策を訴えていた。では 参政党とこれらの決定的な違いは何かというと、保守論壇中央からの強力な支持があるか無いかの一点である。</p>