<p>「抵抗は無駄」、ドル高は止められない-ドル倍賭けに傾くウォール街</p><p>「抵抗は無駄」、ドル高は止められない-ドル倍賭けに傾くウォール街</p><p>ドルの上昇はこれからも続き、その流れに逆らえば止めようのない勢いに圧倒される。これが世界のヘッジファンドと投資銀行の見方だ。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は14日、過去最高を更新した。</p><p>ドル高の要因となり得るものは数多く、「ドル・スマイル理論」が示唆するように米経済の高成長と景気減速の両方でドルが上昇する材料がそろっている。米金融当局のタカ派姿勢、もしくは世界的なリセッション(景気後退)がドルを急上昇させるのは時間の問題だと投資家は考えている。 ブルームバーグ・ドル指数 出所:ブルームバーグ メルボルンのヘッジファンド、K2アセット・マネジメントの調査責任者、ジョージ・ブーブラス氏は「抵抗しても無駄だ。ドルの勢いに逆らうべき時ではない」と言う。新興市場通貨からユーロまであらゆる通貨に対してドルが上昇するとみる同氏は、「先進国市場の景気後退リスクが底を打つ兆候はない。近い将来にドルをショートするのはあまりにも難しい」と話した。 バンク・オブ・アメリカ(BofA)は米利上げに伴い、ドルが年末までは上昇を続けると予想。シティグループはドルの需要と準備通貨としての並外れた地位は揺るがないと指摘。ゴールドマン・サックス・グループは、ドルがブラジル・レアルや南アフリカ・ランドなどの新興国通貨に対して大きく上昇するとみている。 BofAのストラテジスト、アダーシュ・シンハ氏は「想定し得る最も早い転換点は、米金融当局が自動運転モードからよりデータ依存にシフトする可能性がある2022年10-12月(第4四半期)だ。中国の経済成長もある程度継続的な改善があるだろう」とし、「それまでは、ドルが上昇するというのが依然最も抵抗の少ない道だ」と述べた。 主要通貨の非商業ポジション合計(棒グラフ、右軸)、ブルームバーグ・ドル指数(折れ線グラフ、左軸) 出所:ブルームバーグ</p>