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先日、永井荷風の『〓東(ぼくとう)綺譚(きたん)』(新潮文庫ほか)を読んでいたら「ラディオ」という言葉が10回以上出てきた。荷風はラジオが嫌いだった。梅雨明けの季節、近隣の家が一斉に戸を開け放つため、ラジオの音があちこちから漏れてくる。 「ラディオの物音を避けるために、わたくしは毎…