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もの書きにとって第1作は人生の一大事だ。ぼくもそうだった。自分の本が出版されて本屋さんに並ぶ……。20代を学生として過ごし、社会に何の貢献もできなかった自分の本が出る。出版前は駅のホームの端を歩かなかった。ここで電車に轢(ひ)かれてしまったら、ぼくは人生で何も生みださずに死んでしま…