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<p>雨粒の形は滴じゃない!? どんな形か知っていますか?</p><p><滴じゃないの!?> 直径0.1mm以上の大きさで落下する雨の水滴を雨粒と呼びますが、実は雲の高さや厚みなどによって大きさが異なります。そして、雨粒の形は大きさで決まるんです。 雨はきれいな滴(しずく)の形で降ってくるのではありません。</p><p>雨がどんな形で降ってくるのか考えたことはありますか?きれいな滴の形で降ってくるのではありません。雨粒の形に秘められた法則を、ウェザーニュースの気象予報士、山口剛央が解説します。</p><p>雨はきれいな滴(しずく)の形で降ってくるのではありません。雨粒の形に秘められた法則を、ウェザーニュースの気象予報士、山口剛央(やまぐち・たけひさ)が解説します。 雨粒の大きさってどれくらい? 「直径0.1mm以上の大きさで落下する雨の水滴を雨粒と呼んでいます。霧雨(きりさめ)のような弱い雨は直径0.5mm未満の小さな雨粒ですが、直径8mmにもなるような大きな雨粒もあり、一言に雨粒といってもその大きさはまちまちなのです。一般的に、雨粒が大きくなるほど落下速度も速くなります」(山口剛央) 大粒と小粒の雨がある理由 「それは、雲の高さと関係があります。一般的に、低い雲、つまり地表に近いところにできた雨雲から降ってくる雨は粒が小さく、高い雲から降ってくる雨は粒が大きくなります。落ちてくる距離が長いほど、雨粒同士がくっつく機会が多くなるからです。 また、雲の厚みも関係しています。強い上昇気流があると、雨粒が簡単に落ちてくることができないので、積乱雲のような背の高い雲の中では大きな雨粒が生まれ、層状に広がる厚みのない雲の中では小さな雨粒しか生まれません。 激しい空気の抵抗を受けながら落ちてくる雨粒は、横を落ちる雨粒とくっつくことによって、より強固な雨粒になろうとします。そのとき働く力が、表面張力です」(山口剛央) 雨粒の形は大きさで決まる 「雨粒の形は、大きさによって異なります。小さな雨粒は表面張力によって球に近い形をしています。それがくっついて大きな雨粒になると、落下速度も速くなり空気の抵抗も大きくなるので、底が平らになって“まんじゅう型”になるのです。 どれくらいの直径になるとまんじゅう型になるかというと、直径1mm以下だとほぼ球形ですが、3mmくらいから平たくなり始めるようです。これは理論上の形状であり、実際には気流や風の影響も受けるため、雨粒は振動したり歪(ゆが)んだりしています」(山口剛央) 雨粒浮遊実験の様子(画写真提供:気象キャスターネットワーク) 「また、大きくなり過ぎた雨粒は、空気の抵抗に負けて分裂します。雨粒の大きさは最大8mmまでといわれ、それ以上大きな雨粒が降ってくることはありません」(山口剛央) 雨粒の形は肉眼で観察できないので、身近な存在でありながら知られていないことが多いようです。</p>