世界は面白いもので溢れている? まさにその通り。世界は広い。あるところにはあるのだ、名品、珍品が。ついつい頬が緩んでしまうグッズやクラシックモデル。あるいは、えーこれがこの値段(?)と腰を抜かしてしまうことも(笑)。 楽しいですよー。 その1: 腕時計 ロレックス コスモグラフ デイトナ(2017年製) 落札想定価格: 40,000ドル~50,000ドル(約560~650万円) 大林晃平: ロレックスをはじめとする昨今の時計価格の狂乱ぶりには驚くしかない。そんな中で今回のデイトナであるが650万円はかなり安い、というか、もはやこの値段じゃ無理であろう。普通の(普通の、ですよ)デイトジャストの文字盤色違い(黄色とか、水色とか、グリーンなどなど)が300万円とか、エクスプローラーもミルガウスももはやとんでもない価格なのだから、デイトナはそれ以上の価格が普通なのである、ってぜんぜん普通じゃなく、なにかがオカシイとか言いようがないが、いつかこの時計の狂乱物価は収まるのだろうか?? 一応、このデイトナ、新品同様の素晴らしいコンディションで、未着用とのこと。 フィアット500ジョリー コンバージョン(1964) 落札想定価格: 60,000~70,000米ドル(約780~910万円) フィアット500をイタリアで改造し、ジョリー ビーチクルーザーを再現した魅力的なモデル。オレンジ色の外装に、タンカラーの籐製の内装シート、オレンジとホワイトのファブリック製キャノピールーフ、ホワイトのタッセル。タンウィッカーインテリアと同色の織物製フロント&リアフロアマット。ボディカラーと同色のダッシュボード、シングルメーター、同色の2スポークステアリングホイール。リアに搭載された500cc空冷2気筒エンジンと4速マニュアルトランスミッションを搭載。クリーム色の12インチスチールホイール、クロームドッグディッシュスタイルハブキャップ、デストーン製タイヤを装着。 大林晃平: アンジェリーナ ジョリーではありません。フィアット500ジョリー コンバージョンです。なんともいいなあ、欲しいなあ。キュートで、エレガントでオシャレ。マジでほしい。でも落札想定価格、900万円超・・・。さらに地中海かどこかにこれに似合う別荘と閉まっておくガレージも必須。夢のまた夢、である。 1963年製メッサーシュミットKR200カブリオレ(1963) 落札想定価格: 48,000~58,000米ドル(約624~754万円) 最も有名なマイクロカーの一つである、フランスに輸出された希少なオープントップ カブリオレ。KR175タイプのハンドル、フランス仕様のイエローティントヘッドライトなど、ユニークな装備。フランスの都市名バッジとナンバープレートを装着したまま。ジョージア州マディソンのブルース ワイナー マイクロカー ミュージアムに展示されていた個体。白のパイピングが施された黒のビニール製インテリアと、オリジナルとされる黒のコンバーチブルキャンバストップ。フィヒテル&ザックス社製191cc2サイクル単気筒エンジン(9.5馬力)を搭載。4速マニュアルトランスミッションをリバースさせるリバーシングスターターモーターを搭載。クロームメッキのラゲッジラックとミラー、フェンダーランプ、ハイマウントバンパーを装備。 大林晃平: メッサーシュミットとかユンカースとかの名前がなくなって淋しいが、とにかくメッサーシュミットはそんな航空機メーカーらしい作品である。映画「アダムスファミリー」でモップのお化けがこれに乗っていたが、モップの愛車がもはや800万円なのかぁ。でも個人的には大好きな一台。もしもこれで、今すぐに横浜から京都とか神戸まで行けと言われたら喜んで引き受ける。 ダットサン1600フェアレディ(1967) 落札想定価格: 30,000~35,000米ドル(約390~455万円) この「ダットサン フェアレディ ロードスター」は、クリーム色に赤のレザー、そして赤のソフトトップが魅力的なレストアモデルだ。インテリアは、ボルドー色のフェイクウッドダッシュとブラックメーター、3本スポークのスポーツステアリングホイール。フロントフェンダーとトランクリッドに「FairLady」のロゴを配し、サイドボディにステンレススチールのトリムを採用。1,600cc直列4気筒エンジン、SUツインキャブレター、レッドエアクリーナー、フルーテッドアルミニウムバルブカバーを装備。14インチのスチールホイールにクロームメッキのハブキャップを装着し、当時のホワイトラインタイヤを装着。 大林晃平: 昔は日産もこういうオシャレなクルマ作ってたんだよなぁ、という「ダッツン フェアレディ」。命名はもちろん片山 豊(ミスターK)さん。そういえば「若大将シリーズ」で青大将が自慢げに乗っていたのもこういう車。ぶつけちゃったら、「パパに言いつけるぞぉ」と田中邦衛さんは舌っ足らずに言ってましたっけね(笑)。 フォルクスワーゲン タイプ2 ’23ウィンドウ’ コンバージョン(1973) 落札想定価格: 80,000~100,000米ドル(約1,040~1,300万円) ピアノブラックとロータスホワイトのツートンカラーに、美しいレッドのインテリアが魅力的な1台。サファリウィンドシールド、片側2連のポップアウトウィンドウ、開閉式ラグトップサンルーフ、ダブルカーゴサイドドア。フロントとリアに木製ルーフラックとサイドラダーを装備。9人乗りの赤と白の印象的なインテリアには、ブラックカーペット、ラップベルト、カーゴエリアの窓を保護する「ジェイルバー」などが装備されている。1,500cc空冷フラット4気筒エンジンと4速マニュアルミッションを搭載。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、電装系をフルリファイン。ホワイトウォールタイヤとレッドペイントホイール、クロームメッキのトリムリングとハブキャップを装着。人気の高いタイプ2サンバー”23ウィンドウ”のトリビュートモデル。 大林晃平: やっぱりいいよなぁ「T1」か「T2」。BEVの「ID.Buzz」が出た今でも、やっぱりこっちがオリジナルで本物だよなぁ、とつくづく思う。でもこれ1,000万円以上か。気楽に仲間とバンドワゴン、なんてもう遠い話になってしまった。なんとも残念な、もはや雲上の一台。 フィアット500ジャルディニエラ ジョリー(1975) 落札想定価格: 30,000~40,000ユーロ(約415~555万円) フィアット500ジャルディニエラをベースに、2021年にギア社製のジョリー仕様に改造されたビーチランナバウト。2021年、エンジンのリビルドを含む、880時間にも及ぶ徹底的な改修が行われた。カロッツェリア・ギアの技術や材料を使用し、細心の注意を払っている。赤と白の取り外し可能なキャノピー、ベネチアンミドッリーノで織られたウッドインテリア、赤と白のシートクッション、そして同じ織りのトランクが特徴的だ。499.5ccの2気筒エンジンと4速マニュアルトランスミッションを搭載。灰皿、共布バッグ、電動ワイパー、グラブハンドル、インジケーター、ジャッキ、フロント&リアライト、スペアホイール、スピードメーター、ホワイトウォールタイヤを巻いたカラーマッチのスチールホイール装備。改装とコンバージョンの詳細な写真を含むヒストリーファイル、当時と同じ白黒のローマ登録プレート付き。 大林晃平: さっきのとちょっと違ってこちらはジャルディニエラ ジョリーです。最初のジョリーより10年以上あとの1台で、こっちのほうが若干お買い得です。というのも、最近(去年)880時間にも及ぶリビルドを受けているからで、880時間分の時間給を考えればかなりお買い得。藤の椅子が劣化したら、目黒区にある「マダムロタン」で直してもらいましょう。 ブリヂストンBS175(1969) 3,000ドル~5,000米ドル(約40~65万円) ロータリーバルブ式2サイクル177cc2気筒エンジン。カタログ掲載時、走行距離3,877マイル。クロームメッキのガスタンク、ブラックのシート。 大林晃平: ブリヂストン製のバイク?? そう、その昔、ブリヂストンはれっきとしたバイクメーカーだったのである。そんな一台がアメリカに残っていることが感慨深い。価格も昨今のバイクの高騰価格を考えれば実に良心的納得価格。ほしい人は、悩まずとにかく買っておきなさい。 フォード モデルTオープンランナバウト(1911) 落札想定価格: 25,000~35,000米ドル(約325~455万円) アメリカ初のスポーツカーとされる大胆なモデルTオープンランナバウトの美しいレストアモデル。印象的なレッドにブラックフェンダー、レッドホイール、ブラックレザーレザーベンチシート、ホワイトラバーフロアマット、ブラッククロスコンバーチブルトップを装備。魅力的な真鍮製のE&Jヘッドライトとフォードスクリプト、真鍮製のラジエーター、真鍮製の2ピースフォールディングウィンドシールド。後期モデルTのものとされる非オリジナルの2.9リッター直列4気筒エンジンを搭載し、エレクトリック スタートでアップグレード。3速遊星ギアトランスミッション(うち1速はリバース)を介して車輪に動力を伝達。ブラックピンストライピングが施された12本スポークのペイントスチールホイールに、ブラックウォールタイヤを装着。 大林晃平: 1911年製のT型フォードがたったの450万円? なんだか頬っぺたつねりたくなるような安価ではないか。最初に紹介したロレックスからしたら嘘みたいなバーゲン価格。これを持っていたら少なくとも日本のイベントではどこへ行ってもエリザベス テイラーかフレッド アステアが会場にやってきたくらいの爆弾的影響力与えそう。誰か輸入してナンバーとって、自腹で長期テストやっとくれ。 ハーレーダビッドソン スキャット(1965) 落札想定価格: 2,000~3,000米ドル(約26~39万円) コレクション性の高いスクランブラースタイルのデュアルパーパスモーターサイクル。125cc、2ストローク、単気筒エンジン。1947年、ハーレー ダビッドソンは「S-125」と呼ばれる125cc、2ストロークのモーターサイクルを発表した。ドイツの「DKW RT125」をベースとしたこのモデルは、生産開始から7ヶ月で1万台を販売し、瞬く間に人気を博した。ハーレー ダビッドソンは長年にわたり、この2ストロークプラットフォームの改良とバリエーションを重ね、1962年に「スキャット」を発表した。「スキャット」はスクランブラースタイルのデュアルパーパスモーターサイクルで、ハイマウントのフロントフェンダー、ハイエキゾースト、高いハンドルバー、オフロードでの使用を向上させるソフトなサスペンションが特徴であった。この1965年式「ハーレー ダビッドソン スキャット」は高いコレクター性を持ち、フルサイズのハーレー ダビッドソンと並んでも見劣りしない、ツーリングやトレイル探索に最適な小さな2ストローク車だ。 大林晃平: ビア樽太っちょの親父さんが自慢げに乗る満艦飾なハーレーダビッドソンと違い、この時代は慎ましやかで楚々としていたころのスキット。 125ccというエンジンも控えめで、だから価格も控えめ。でもコレクターズアイテムとして考えればなかなか魅了的だし、ガレージに置いておける人なら一台いかがでしょうか? この価格じゃ、今や新車の125ccバイクさえ買えません。 マイヤーズ マンクス(1968) 落札想定価格: 50,000~70,000米ドル(約650~910万円) 1968年製フォルクスワーゲン強化シャシーをベースに作られた初期型「プレタグ マンクス」。ハウスオブカラーヘビーシルバーフレークとブラックのインテリア。カスタムケース、Engle FK43カムシャフト、クロモリクランクシャフト、Hビームロッド、鍛造ピストン、CBパフォーマンス044ウェッジポートヘッド、デュアルウェーバーキャブレター、Pauterローラーロッカーを備えた2,331ccフラット4気筒エンジン搭載。ビレットフライホイール付きジーンバーグ製4速マニュアルトランスアクスル。高貴な水準で仕上げられた見事なレストアのオーセンティックマンクスを所有するエキサイティングな機会を提供。 大林晃平: うーむバギーは高い! 文字通り「コレクターズアイテム」だからだが、でもこんなのに1,000万円近く出します? 昔はなんてことにない低予算映画ででんぐり返ったり、色あせたような状態でサンタモニカあたりを走っていたというのに、1000万円とは・・・。時代も変わりましたね。 シボレー コルベット スティングレイ コンバーチブル(1969) 落札想定価格: 32,000~40,000米ドル(約420~520万円) エンジンとマニュアルトランスミッションがマッチングしたコンバーチブル。ル・マンブルーにブラックのソフトトップ、ブラックのインテリア。オリジナルの350馬力V8エンジンと4速マニュアルトランスミッションが組み合わされている。サイドエグゾーストパイプ、AM/FMプッシュボタンラジオ、取り外し可能なハードトップを装備。BFグッドリッチ製T/Aホワイトレタータイヤとクロームメッキのトリムリングが付いたラリースタイルのホイールを装着。魅力的な色の組み合わせのクロームバンパースティングレイは、パフォーマンスとアティテュードを兼ね備えている、よく知られたモデルだ。 大林晃平: スティングレイ、なんとも素敵な名前。アメリカ製スポーツカーの代表格といえばやっぱりこれ。バイデン大統領もスティングレイの愛好家で知られるが、彼の年齢的にも、きっとこのころの車に一番弱いはずである。それにしてもこれ。上記のバギーよりも安いけれど、あなたならさてどっちを買いますか? 私は……やっぱりこっち、でしょうか・・・。 【おまけ】 ランチア ハイエナ ザガート(1994) 落札価格: 148,500ユーロ(約2,050万円) わずか3人のプライベートオーナー。新車からの走行距離8,950km未満。ザガートが製造したわずか24台のハイエナのうちの15台目。ドイツに新車で納車され、現在に至る。魅力的なヴェルデザガートペイントでの仕上げ。 大林晃平: ハイエナって・・・。なんだか嫌な名前だし、ランチアに相応しくないと思う。日本にも数台入ってきたザガートの超限定モデルで、当時結構話題になったが、おぼえておられる方、果たしてどのくらいいらっしゃるでしょうか・・・。そして今、これを所有している方はいらっしゃるのでしょうか? ちなみに中身は基本的に「ランチア デルタ インテグラーレ」をチューンナップしたもの(つまりフルタイム4WD)。だったら、やっぱり普通のデルタのほうが格好いいなぁ、という言葉は禁句なのでしょうか。 以上、1アイテムと11台でした。See you again soon! Text and photo: RM Sotherby’s