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<p>「今も信じられない」発生から1週間 献花台に列 悲しみ続く</p><p>「今も信じられない」発生から1週間 献花台に列 悲しみ続く 「気持ちに整理をつけに来たけど、どうしても涙が出てしまう」「長い間、日本を引っ張ってくれてありがとう」「複雑な家庭事情があったのかもしれないが、それを安倍さんにぶつけるのは絶対に間違っている」</p><p>参院選の応援演説中だった安倍晋三元首相(67)が銃撃され死亡した事件は、15日で発生から1週間を迎えた。現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅近くに設けられた献…</p><p>参院選の応援演説中だった安倍晋三元首相(67)が銃撃され死亡した事件は、15日で発生から1週間を迎えた。現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅近くに設けられた献花台には、通勤途中の会社員や高齢者など追悼に訪れる人々が朝から列をなした。「今も信じられない」。憲政史上最長在職日数を誇った元首相が凶弾に倒れた衝撃を、いまなお多くの人が受け止めきれずにいる。 銃撃から1週間となっても列ができる献花台=15日午前10時25分、奈良市(本社ヘリから、沢野貴信撮影) 「気持ちに整理をつけに来たけど、どうしても涙が出てしまう」。この日初めて献花に訪れた大阪府池田市のパート、野田恵美さん(62)は、今にも泣き出しそうな様子で話した。 事件現場となった同駅付近は報道で何度も目にしたが、「いざ足を運んでみると、一層と悲しみがこみ上げてくる。長年お疲れさまでした、安らかにお休みくださいと伝えたい」と悼んだ。 献花台に訪れる人は早朝から徐々に増え、午前10時ごろには数メートルの列に。花束や飲み物などを供え、ゆっくりと祈りをささげていた。事件発生時刻の午前11時半ごろには、安倍氏が最後に立っていた演説場所に向かって手を合わせる人々の姿も見られた。 【安倍元首相銃撃事件一週間】事件発生時刻時間には事件現場近くで黙禱する人たちの姿 =15日午前11時32分、奈良市(永田直也撮影) 出張で奈良県に来ていた東京都品川区の会社員、前田純さん(35)は「(事件が)現実のことだと受け止められなかったが、献花台を訪れてようやく実感できた。残念な気持ちしかない」と肩を落とした。安倍氏について「人望があり、多くの人に親しまれていたんだなと改めて感じた。日本の政治の中心的存在で今後も活躍が期待されていただけに、亡くすには早すぎた」と悔しがった。 京都市から訪れた大学生の岡崎光太郎さん(22)は、献花台に向かって1分程度手を合わせた後、沈痛な面持ちで安倍氏の写真を眺めていた。 「『首相といえば安倍さん』という親近感があり、亡くなったことは本当に悲しい。長い間、日本を引っ張ってくれてありがとう」と感謝の意を伝えたという。今秋にも安倍氏の国葬が行われる見通しとなったことにも「リーダーシップを発揮して、国内外でさまざまなことを成し遂げてきた。国葬として送り出すことに賛成です」と理解を示した。 一方、犯行に及んだ山上徹也容疑者(41)に対する厳しい声も聞こえた。 名古屋市の介護ヘルパー、大井明さん(58)は「複雑な家庭の事情があったのかもしれないが、それを安倍さんにぶつけるのは絶対に間違っている」と唇をかんだ。 同市名東区の医師の女性(56)も「難しい背景があったのかもしれないが、憎しみを募らせて一線を越えることはあってはならない」と憤った。 特集・連載:</p>