今後のiPhoneにペリスコープ(潜望鏡)型の望遠カメラが搭載され、それは2023年の「iPhone 15」世代になることが有力視されてきた。しかし、実際に搭載されるのは「iPhone 15 Pro Max」のみとするアナリスト予測が報じられている。
アップルの未発表製品に詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏は、自らのブログで今後のiPhoneへのペリスコープ望遠レンズ採用の見通しを総括している。それによれば、2023年に搭載されるのはiPhone 15 Pro Maxの1機種のみとのことだ。
iPhoneにペリスコープレンズが採用されるとの噂は、2020年にまで遡る。おそらく最初に主張したのは、Kuo氏その人だった 。当時は「2022年モデル」(iPhone 14世代)と予想されていたが、最近はiPhone 15のProモデルへと修正しており、アナリストのJeff Pu氏も同様の見解を(Pro Maxのみで、Proには否定的)と述べていた。
ペリスコープ方式では、レンズやミラーで光の向きを90度変え、本体に対して横方向にレンズを複数置くことで、従来の「レンズとイメージセンサーを縦に積み重ねる」方式よりも本体の厚みやレンズの出っ張りが増すのを避けられる。すでに採用したAndroidスマートフォンはいくつかあり、たとえばサムスンの「Galaxy S22 Ultra」は最大10倍の光学ズームと100倍のデジタルズームが可能だ。
なぜ今なおiPhoneに採用がないかといえば、ほとんどのペリスコープカメラに不可欠な「ボール型アクチュエータ」の技術をサムスンが保有しており、同社が協力に応じない可能性が高いためではないか…との憶測もあった。
またKuo氏によると、ペリスコープ望遠カメラの主な仕様は「1/3インチの12MPイメージセンサー、レンズの明るさはF2.2で最大6倍の光学ズーム、センサーシフト式の手ぶれ補正」も備えているとのことだ。ちなみにiPhone 13 Proの光学ズームは最大3倍である。
さらにKuo氏は、2024年にはペリスコープレンズ採用が「iPhone 16 Pro」と「iPhone 16 Pro Max」の2つに限られるとも述べている。今年の「iPhone 14」シリーズでも高価なProモデルと通常モデルの間で、プロセッサやカメラ性能などに大きな格差が付けられると予想されるが、来年以降もその路線は引き継がれそうだ。