F1第8戦アゼルバイジャンGPでは、フェラーリ勢がマシントラブルで自滅のWリタイヤ。シャルル・ルクレールは4戦連続となる今季6度目のポールポジション獲得も第3戦オーストラリアGP以降、勝利から遠ざかり試練のときを迎えている。第4戦エミリア・ロマーニャGPから5連勝となったレッドブルF1は、マックス・フェルスタッペンが今季5勝目を挙げ、その差をさらに広げていく。「風の街」バクー市街地の週末をドライバーや関係者のSNSで振り返る。
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マシントラブルでストップしたスペインGP、そして戦略ミスで4位に終わった前戦モナコGP続き、自らの力ではどうすることもできないような様々な悲劇がレースごとに襲ってくるフェラーリF1シャルル・ルクレール。もう「気の毒」としか言いようがない。
24歳と255日でF1史上、最も若く25勝に到達したフェルスタッペン。ちなみに25勝はジム・クラーク、ニキ・ラウダと並び歴代9位タイ。今シーズン中に27勝のジャッキー・スチュワート、31勝のナイジェル・マンセル、そして32勝のフェルナンド・アロンソの記録を超えられるか? 29歳と109日で25勝目に到達したルイス・ハミルトンはその後、通算103勝まで勝利記録を伸ばしている。
ガックリ肩を落とすルクレールとは対照的なフェルスタッペンとパートナーのケリー・ピケさん。そりゃ、踊りたくなる気持ちもわかります。
予選2番手から、スタートでホールショットを奪いレース序盤をリード。モナコGPからの2連勝を目指したセルジオ・ペレスだったが、タイヤのデグラデージョンに苦しみペースダウン。チームからも「戦うな」との無線が入り、ポジションをフェルスタッペンに譲った。それでも今回の2位表彰台でドライバーズランキング2位に浮上、ファステストラップの1ポイント獲得も、戦う姿勢の表れに見えた。
レース後はバウンシングによる背中の痛みでマシンから容易に降りられない姿が国際映像にも映されたルイス・ハミルトン。苦闘の末の4位入賞とドライバーズ・オブ・ザ・デーを獲得も、次週、連戦のカナダGPまでに身体が十分に回復するかが心配の種だ。
ここ数年のF1開催地のなかでもイチオシのアゼルバイジャン共和国国歌。
Dünyanın ən gözəl himni – Bakı trekindən MÖHTƏŞƏM GÖRÜNTÜLƏR pic.twitter.com/pFzPlcjq43
— AZTV (@aztvresmi) June 12, 2022
■角田裕毅が無念のなかでファンに感謝の言葉
セルジオ・ペレスが2024年末までレッドブルF1と契約延長したことにより、来季の去就が注目されることになったアルファタウリF1のピエール・ガスリー。5位入賞を果たしたアゼルバイジャンGPの後はモナコのすぐ西側にある南仏の地中海リゾート、カップ・ダイユで英気を養った。
レース終盤でリヤウイングが破損し、緊急ピットインを余儀なくされたアルファタウリF1角田裕毅。ピットインの理由を無線で聞かされていなかったことにも驚かされたが、破損したリヤウイングをダクトテープ(粘着テープ)で簡易補修しただけで、「DRSは使うな!」と再びコースに送り出したアルファタウリF1の判断は正しかったのか? 大事故にならなかったのは不幸中の幸い。
ハミルトンやセバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソといった偉大なチャンピオンたちを相手に互角以上に戦い、6位入賞が目前だっただけに日本の大勢のファンもテレビの前で無念さを噛み締めた。
6番手走行中リアウィングの破損により修復のためピットに戻りました。今週はチームとしても沢山のポジティブな部分があったのでこの勢いで次戦に活かせればなと思います!
そして現地で応援してくださった方々ありがとうございました pic.twitter.com/hH2k2xYVTf— 角田裕毅/Yuki Tsunoda (@yukitsunoda07) June 12, 2022
安定感抜群で開幕からの連続入賞を続けるメルセデスF1ジョージ・ラッセル。今季3度目の3位表彰台獲得で、現在ドライバーズランキング4位。気がつけば3位のルクレールと17ポイント差まで迫ってきた。
アゼルバイジャンGPでレッドブルF1とフェラーリF1の4台が争うなか、マイペースなラッセルの様子を例えた1枚の写真をメルセデスF1がインスタグラムに投稿。
■セブの鮮やかなスピンターン
次のF1ウイナーの最有力候補ふたり。どちらが先にF1初優勝を達成できるか? ちなみにwikiではラッセル185㎝、カルロス・サインツJr.が177㎝となっているが、サインツがちょっと見栄を張っているかどうかは不明。
チームメイトのバルテリ・ボッタスを初めてアウトクオリファイし、決勝でも順調にポイント圏内を走行していたアルファロメオF1周冠宇。しかしながらまたも信頼性の問題に泣かされ、ここ4戦中3度目のリタイア。F1キャリア2度目のポイント獲得はお預けとなった。
ついにシート喪失のウワサまで出てきたマクラーレンF1のダニエル・リカルドだが、エミリア・ロマーニャGPスプリント以来となる久々のポイントゲット。長く苦しいトンネルからようやく脱出か?
自分のシートの後釜として名前が挙がっている相手に対してもこの明るさ。通常運転のリカルドが戻ってきた。
エスケープゾーンに直進してしまったマクラーレンF1ランド・ノリス。5回の切り替えし動作で無傷のコース復帰を果たすも、コメント欄には同じ場所から180度ターン1発で鮮やかに生還したアストンマーティンF1のベッテルを賞賛する声が多数。ノリスのディスプレイには自虐で「Parking mania」という車庫入れゲームが表示されている。
ベッテルは無駄のない鮮やかなスピンターンでコースに復帰。
アルピーヌF1フェルナンド・アロンソは、ミハエル・シューマッハーの記録を塗り替え21年3カ月と8日でF1参戦期間の最長記録を樹立。2001年オーストラリアGPでミナルディF1から、19歳217日という当時史上3番目の若さでのF1デビューだった。
アゼルバイジャンの週末は、ペナルティ連発のお粗末なレースとなってしまったウイリアムズF1ニコラス・ラティフィ。次戦、地元カナダGPでの活躍を誓う。