< 2050持続可能な未来へ コンビナート/1(その2)>
【1面からつづく】
日本の産業におけるコンビナートの重要性は論をまたないが、21世紀に入り、産業全体の構造転換や需要の変化に直面し、国内における立地生産の合理性やメリットが厳しく問われ始めている。資源エネルギー庁が音頭を取り、昨年末から今春にかけ開催された「カーボンニュートラルコンビナート(CNK)研究会」の座長を務めた早稲田大学の平野正雄教授に現状認識や課題を聞いた。
■…CNK研究会では将来のあるべき姿について議論が交わされました。
「立地企業はそれぞれ、需要や産業の変化にいかに対応し、成長の画を描くか個別の戦略を問われており、コンビナートの存続を第一に考えるわけではない。他方、国は水素やアンモニアなど新たなエネルギー源をどこに持ち込み、貯蔵し、活用するか、国全体の競争力の観点からコンビナートを見ている。自治体にとっては地域経済の中核であり、そこを維持発展させながら地域の廃棄物のリサイクル拠点などとしても活用したいとの思いがある」
「加えて、時間軸の問題も見逃せない。2050年のCNというのは超長期過ぎて、やはり企業の経営計画には乗りづらい。30年を目標に既存の事業や設備を中心にいかにCNを図るかが現実的な対応であり、水素やアンモニア、CCS(CO2の回収・貯留)などを含めた次世代エネルギーや技術を含めた将来の画を描くのは簡単ではない。つまり、コンビナートのCNに向けては各ステークホルダーの利益の整合性を図りつつ、時間軸まで含めた複雑な方程式を解く必要がある」
■…研究会は、そうした困難な課題に対して1つの方向性を示しました。続きは本紙で
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