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終章 三 「誰かわかる者をつれて参れ」しばらくして千畳閣(せんじょうかく)の方から白髪頭の老武士が二人、つれてこられた。鶴のように痩せた背が高い老武士と、小柄で歯が抜け、〓が窪(くぼ)み、小動物を思わせる顔をした老武士だった。眩い胴服をまとった輝元は錦の美服をまとった小姓たちにかこまれ…