2022年4月、プジョー308が実に9年ぶりのフルモデルチェンジを果たした。今回は自動車評論家、松田秀士氏が5ドアハッチバックのディーゼルターボとガソリンターボに試乗。従来の308の走り味を踏襲しながらもスタビリティがアップした乗り味とは何か?
※本稿は2022年5月のものです
TEXT/松田秀士、PHOTO/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2022年6月10日号
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■新型は何が変わったのか?
プジョー308が9年ぶりにフルモデルチェンジ。今回は5ドアハッチバックのディーゼルターボとガソリンターボを試乗した。
プラットフォームは旧型のEMP2の継承だが、進化していて、走行中の剛性感はかなりのもの。
さらに旧型より全長は+145mm、全幅は+45mm、全高は+5mm、ホイールベースは+60mmと大型化。
全幅が1850mmとなったので主に街中での取り回しが気になったが、ダッシュボードのフラットな形状もあり意外に大きさを感じさせない。
約7cmの超薄型マトリックスLEDヘッドランプの採用による堀の深い顔、片側3つにセパレートされ突出したデザインが都会的な雰囲気のリアコンビなど、洗練された印象だ。
インテリアでは、コンパクトなステアリングの上越しに10インチのメーターパネルを認識するi-Cockpitを採用。
ダッシュボードセンターには10インチのタッチ式ディスプレーがセットされi-Cockpitなどコネクテッド機能も搭載。
■1.5Lディーゼルと1.2Lガソリンそれぞれの印象は?
では走り出そう。まずは1.5Lのクリーンディーゼルから。
室内も静かで排気音もほぼガソリン車のそれ。ボンネットを開けるまでディーゼルとわからないほど。新しい308ディーゼルモデルはとにかく静かです。
ただ低回転時やアクセルレスポンスに遅れるような反応があったことが唯一の懸念。慣れればアクセルONのタイミングを早くするなど対応が身につくだろう。
旧型と同じディーゼルエンジン+8速AT、旧型ではとても元気がよかったので慣らし運転が充分でなかったのかもしれない。
対して1.2Lガソリンターボは活発だ。レスポンスもよくフル乗車に近い状態でもしっかり走る。
ドライブモードはディーゼル仕様も同じでECO/ノーマル/スポーツの3種類が設定でき、スポーツモードにした時の1段低いギアをチョイスするATコントロールによるレスポンスと高回転域の抜ける感じはかなりスッキリした加速感だ。
小排気量ゆえの低振動も評価上の加点が高い。
またECOモードでは市街地40km/h走行時に約1400回転でそれほどストレスも感じず、好燃費を絞り出す予感がする。
■308“らしさ”をそのままに上級車へアップデート
ハンドリングに関しては今風の腰のあるサスペンションに進化しているものの、アンジュレーションの強い路面からのタイヤへの入力に対して、ストローク初期のスムーズないなし感はこれまでの308らしさを踏襲。
ただし、それなりの速度でコーナリングさせると明らかにロールは少ない。
個人的にはロールはするもののプログレッシブに入力に対する反力を生み出すこれまでの308も好きだった。
まぁ、もうそのようなサスペンションフィールは古いのかもしれない。それだけ高速安定性に振られているということだろう。
ステアフィールは落ち着きがあってアジリティよりも安定志向の反応だ。ホイールベースの延長も影響しているように思う。
後席の足元スペースなど、後席居住性が向上し静粛性も上がっているので、家族受けもいいはず。
ボディ剛性の柔なフィーリングは完全に消去され、新型308ハッチバックは明らかに上級車にアップデート。
ラグジュアリー感を身に着けながらも国産車とタメを張る価格設定。
今年もプジョーから目が離せないぞ。
■SWとPHEVは遅れて登場
新型308はステーションワゴンのSWをラインナップするが、こちらは8〜9月頃。
ハッチバック、SWの両方に設定される308シリーズのトップグレードとなるPHEVは9〜10月の日本導入となる。
PHEVは1.6L、直4ターボ(180ps/25.5kgm)に110psのモーターを組み合わせた注目ユニットだ!
●プジョー308アリュール主要諸元
・全長×全幅×全高:4420×1850×1475mm
・ホイールベース:2680mm
・車重:1350kg
・最小回転半径:5.3m
・エンジン:1.2L 直3DOHCターボ
・最高出力:130ps/5500rpm
・最大トルク:23.5kgm/1750rpm
・WLTCモード燃費:17.9km/L
・タイヤサイズ:225/45R17
・価格:305万3000円
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投稿 9年ぶりフルモデルチェンジのプジョー308に試乗! 国産車とタメ張る価格設定で「上級車」へとステップアップ! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。