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ホンモノを知る大人はJEEPに乗れ! 世界中で絶好調な唯一無二の魅力!!

 SUVが世界的に大人気、というのは最近周知の事実となってきている。そんななかでも、SUVといえばやはりジープを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。

 ジープといえば、ゴリゴリのクロカンを思い浮かべる方もいると思うが、SUVの都会的なイメージ定着に合わせるように、最近では都会的なモデルも展開している。

 とはいえ「JEEP」はもともと「ホンモノ」のSUVメーカーである。そんなSUV専業ブランドとしての奥ゆきについて、今回筆者に紹介してもらった。

文/九島辰也
写真/ステランティス


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■ステランティスのなかでも好調なのがジープだ

 自動車メディアをご覧の方はステランティスという響きにだいぶ慣れてきたと思う。FCAとPSAというふたつのラテンの国にヘッドクォーターを置く会社がひとつになり、動き出している。

 ほんの数年前にフィアットグループとクライスラーグループが合併したと思ったら、今度はそこにプジョー・シトロエングループが乗っかってきた。アルファロメオとダッジとシトロエンが同じ会社なのだから、なんか不思議な気がする。20世紀末のビッグバンと呼ばれた自動車業界の再編成は、ここへきて新たな潮流を起こしているといった感じだ。

 そんなステランティスが去る今年5月5日、2022年第1四半期(1~3月)の世界新車販売(出荷ベース)の結果を発表した。それによると、総販売台数は137万4000台で前年同期比12.4%減とマイナスに転じている。

 が、北米では第1四半期に48万台を販売して前年同期比6.4%増という数字を叩き出した。要するに、アメリカにおいてステランティスの「あるブランド」が好調なのだ。

 それがジープである。かつてニッチでマニアックなブランドの代名詞であったそれが、ここ数年メジャーな存在となった。理由はシンプルで、SUVブームが一巡し、「ホンモノ」に回帰した。

■随分と大所帯になった

 考えてみてほしい。そもそもジープにはSUVしかないのだから専門性が高いのは至極当然の話である。と同時に、ジープもフィアットグループと一緒になったことで、かなり乗りやすくなったのは確か。売れ筋のレネゲードはその最たるもの。フィアットブランドで500Xの名で売られることを前提に、街中で扱いやすいように仕上がっている。

レネゲードはジープのなかでひときわ都会的な雰囲気を持つ。もともと男臭い、汗臭いイメージを持たれがちなジープだったが、このレネゲードで払拭を狙っているようだ

 とはいえ、前述した今年第1四半期に貢献したのは、新型グランドチェロキー、それと1月に発表されたワゴニアとグランドワゴニアだ。ラグジュアリーSUVのトレンドにも乗っかり、いい感じに販売台数を伸ばしている。

 ちなみに、アメリカでのラインナップは、新型グランドチェロキーと並行して従来型グランドチェロキーが販売されるほか、レネゲード、コンパス、チェロキー、ラングラー、グラディエーター、グランドワゴニア、ワゴニアがあり、ラングラー4xeと間もなく発売されるグランドチェロキー4×eのプラグインハイブリッドが用意される。

 30年前、XJ型チェロキーとZJ型グランドチェロキー、それとYJ型ラングラーしかなかったことを思い起こせば、かなりの大所帯である。

■ルビコントレイルの「ホンモノ」感

 そして数字的にはそれよりもグッと低くなるが、今ジープは日本でも大流行。ラインナップは、レネゲード、レネゲード4xe、コンパス、ラングラー、グランドチェロキーL、グラディエーターに絞られるが、どれも高い人気を誇っている。プラグインハイブリッドのレネゲード4xeは価格面で苦戦しているようだが、ほかは好調な販売といっていいだろう。

 と、ここで気づいた方も多いと思われるが、チェロキーとラングラーのショートボディはカタログには存在しない。チェロキーは日本ではメジャーなネーミングだが、あの個性的なデザインは広く受け入れられなかったようだ。ラングラーのショートボディもそう。使い勝手の面で4ドアに劣るのが致命的で、ここ数年販売比率は1:9くらいまで落ち込んでいた。

 ただ、ラングラーにルビコンがカタログモデルとして載っているのは嬉しい。その実力をジープの聖地ルビコントレイルで何度か試したが、それはまさに正真正銘のジープといったところ。4WDローレンジの1:4のギア比とフロントのデフロック機構は鬼に金棒である。3つのデフをロックした状態でのロック(岩)セクションの走りは感動モノだ。

こちらはラングラーの限定車「アンリミテッド・ウィリス」。これは、SUVの草分け的存在である本稿トビラ絵の「ウィリスオーバーランドCJ-3A」をオマージュしたものだ

「ホンモノ」感の真髄はまさにここにあると言いたい。

■カスタムのすゝめ

 SUVブームにおいてジープが再認識され、人々が憧れるのはまさにそんなところだと思う。道なき道を行くジープの世界観が日本はもちろん、世界中のクルマ好きのハートを射止めた。

 そこでひとつ提案なのだが、ジープ、特にラングラーに乗るのであればぜひ積極的にカスタムしてほしい。ラングラーは手を入れてナンボのクルマ。メーカーもそれを見越して設計しているといっても過言ではない。それを証拠にルビコンは標準装備でマッドテレーンタイヤを履いている。

 要するに、標準車であっても太いタイヤを履けるだけのスペースを確保しているのだ。なので、少しばかり車高を上げて外径の大きなタイヤにリプレースしてもなんら問題はない。そこがカスタムラインのスタートとも言えるだろう。

 現に、CS放送をご覧になる方はご存じだろうが、『ガス・モンキー・ガレージ』のリチャードたちは、車高を上げてタイヤを太くしたラングラーを見て、「これはノーマルか?」と口を揃えていた。そこからボディを塗り替えたり、ラインを入れたり、オーバーフェンダーに取り替えたり、フォグランプをたくさん付けたりして夢を膨らますのである。

 もう15年以上前の話だが、個人的にXJ型ワゴニアやYJ型ラングラー、TJ型ラングラーに乗っていた時は、そんな風にカスタムしていた。FRPのルーフに穴を開けてサーフキャリアのステイを固定したりして……。

■夢も見させてくれるのがジープ

 何が言いたいかというと、それが似合うのがジープである。ドイツ車と比較するとわかるが、同じSUVであっても背を高くしたり、太いタイヤに履き替えたりとはなかなか思わない。やると意外にカッコいいのかもしれないが、パーツを探すのが難しい。というか、ほとんどないのが現状。

 が、ジープには余白があってそれを埋めたくなる。しかも西海岸を中心にパーツは揃っていて、どんなニーズにも応えてくれる用意がある。

 これはラングラーにかぎったことではなく、グラディエーターはもちろん、レネゲードあたりでも可能。ネットサーフィンしていると、なかなかのワイルドさを持ったレネゲードを見つけられる。スクエアなボディにグリルガードやルーフラックがバッチリ似合う。

 新型グランドチェロキーLは正直ちょっと難しいかもしれないが、ひとつ前のWK型ならカスタムパーツはありそうだ。いずれにせよ、せっかくジープに乗るのであればガンガン、カスタムしてもらいたい。きっと今後こういったクルマは減っていくであろうし。

 それとできれば日本でも販売してほしいのが、本国で売っているラングラールビコン392。392とは392立法インチのこと。わかりやすくいうと、6.4LV8OHVのHEMIエンジンを搭載したラングラーだ。

 ダッジチャレンジャーやチャージャーにも積まれるこのユニットは力強くかつ気持ちよく回る。なんたって自然吸気だから恐れ入る。実際にそのモデルを走らせたが、走りも悪くない。強引に大排気量エンジンを積み込んだのではなく、足回りはしっかり補強され、乗り心地をよくしている。

 現実に輸入するのは排ガス規制で問題はありそうだけど、乗ると最高! なのだ。そんな夢も見させてくれるのがジープなんじゃないかなと思う、今日この頃である。


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