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<p>踊る喜びを爆発、キエフ・バレエ団が来日…侵略後初の海外公演「温かい受け入れに感謝」</p><p>踊る喜びを爆発、キエフ・バレエ団が来日…侵略後初の海外公演「温かい受け入れに感謝」 #カルチャー</p><p>久々にそろって踊る喜びを爆発させるダンサーたち――。ロシアの侵略が続くウクライナの名門キエフ・バレエ団が15日から日本ツアーを始めた。侵略後の海外公演は初めてで、国外に退避した22人が来日した。彼らは温かい受け入れに感</p><p>謝しつつ、「ウクライナの現状を思い出すきっかけになれば」などと様々な思いを胸に踊っている。 初日の前橋公演では、民族舞踊を取り入れた「ゴパック」など8演目を披露。最後の演目「バヤデルカ」では、ほぼ全員が登場し、調和の取れた群舞を見せた。観客はヒマワリが描かれたうちわを振り、終演後も熱い拍手を送った。 同バレエ団は2006年以来、定期的に日本ツアーを行い、全国にファンが多い。ただ、2月に侵略が始まると、キーウ(キエフ)にある本拠地のウクライナ国立歌劇場が閉鎖され、ダンサー120人のうち90人が国外に逃れた。 プリンシパル(最高位)のニキータ・スハルコフさん(31)のキーウの自宅近くには、ミサイルの破片が飛んできた。「侵略が始まってから2週間は何も手につかなかった」と振り返る。成人男性は出国を禁じられているが、特別に許可を得てウクライナを支援する公演に出演している。「一つ一つの舞台に責任を感じる。ウクライナ人は勇敢で忍耐強い。大変なことも乗り越えていける」と決意を語る。 プリンシパルのアンナ・ムロムツェワさん(29)はドイツで暮らす。「生き残るための難しい決断でした。私たちは今後のことを計画出来ません。ただ、(日本の)街中に掲げられたウクライナ国旗を見て孤立していないと感じました」と話す。 団員を結びつけたのが副芸術監督の寺田宜弘さん(46)だ。11歳で留学して以来、キーウと関わる。戦火が広がると「このままではウクライナの芸術が消える」との危機感から団員やバレエ学校の生徒の受け入れ先探しに奔走。ダンサーの「大好きな日本で踊りたい」という思いを受け止め、ツアーの実現に尽力した。 芸術監督のエレーナ・フィリピエワさん(52)は、「私たちは舞台なしでは生きていけません。つらいことを少し忘れ、バレエのことだけを考える時間をいただけたことを感謝しています」と話している。 同団は8月9日まで東京や大阪など16都市を巡る。</p>