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銃撃事件により8日に亡くなった安倍晋三元首相の国葬をこの秋に行うことが14日、決定した。安倍氏の国葬が発表されると、ネット上では「安倍元首相の葬儀に出席を検討」と報道されたアメリカのドナルド・トランプ前大統領の来日を期待する声が目立った。

安倍首相(当時)と会談する大統領時代のトランプ氏(19年4月、官邸サイト)

安倍さんの国葬ともなればおそらくトランプ元大統領は来てくれると思うし、気持ち的にはプーチンさんもきて欲しいところだよな。

「モディさんとか、トランプさんとかを招くのに相応しい場所を用意しなきゃいけない。

トランプ、蔡英文、ダライ・ラマ、ゼレンスキー、バイデン、もしかしたら習近平にプーチン…敵も味方も関係なく参加を希望するであろう安倍晋三元首相の国葬。

トランプ前大統領には是非とも、国葬に参列していただきたいですね。

ワシントン・ポスト「9月に出馬発表」

そんな中、早い時期から2024年に行われる次期アメリカ大統領選への出馬が取りざたされてきたトランプ氏の周辺がにわかに騒がしくなってきているようだ。

米紙ワシントン・ポスト(7月14日付)は、複数の関係者の話として、トランプ氏が9月にも次期大統領選の出馬を発表するとスクープした。記事によると関係者の1人は、11月に行われるアメリカ中間選挙より前に発表する可能性は、「30%~70%だ」と発言。また、9月より前に発表する可能性もあるという。

トランプ氏の大統領選出馬がにわかに現実味を帯びてきたが、それでもトランプ氏が再度、大統領に選ばれることは、現時点では難しいだろう。ワシントン・ポストによると、いくつかの重要な州で行われた世論調査や党内調査で、トランプ氏は、就任以来“歴史的”とも言われるほど国民からの支持率が暴落しているバイデン大統領にも遅れを取っているという。

ハーバード大学アメリカ政治研究センターと、世論調査会社「ハリス・インサイト・アンド・アナリティクス」が共同で行った世論調査(7月1日公表)では、次期大統領選に「バイデン大統領は立候補すべきでない」と回答した人は71%に上った。一方のトランプ氏も米国民の多くから支持されているとは言い難く、「トランプ前大統領は立候補すべきでない」と回答した人も61%と半数を大きく超えた。

米紙ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が共同で行った世論調査(7月11日発表)では、「2024年の大統領選挙が今日行われたら、誰に投票するか」の問いに、バイデン大統領と回答した人は44%だった。一方、トランプ氏と回答した人は41%とバイデン大統領がトランプ氏を3ポイント上回った。

バイデン大統領より好感度低いが…

米シンクタンク「ピュー・リサーチ・センター」が13日に発表した世論調査では、バイデン大統領の支持率は37%と4割を切る水準に低迷している。バイデン氏が大統領に就任して以来、経済状況が「悪くなった」と回答した人は56%と過半数を超えた。

しかし、そんなバイデン大統領でもトランプ氏よりは好感度が高い。バイデン大統領、カマラ・ハリス副大統領、トランプ氏、マイク・ペンス前副大統領の好感度を聞く問いでは、バイデン大統領の好感度が43%、ハリス副大統領が43%、トランプ氏が38%、ペンス前副大統領が40%。4人の中でトランプ氏の好感度が最も低い結果となった。

とはいえ、トランプ氏が大統領選に勝利した際も、最後の最後まで、まさかトランプ氏が当選するとは思っていなかった人が大半だった。オバマ元大統領が勝利した2012年の大統領選で、全選挙区の勝者を当てたことで有名な世論調査サイト「ファイブサーティエイト」のネイト・シルバー氏ですら予想は大外れだった。同サイトの最終予想では、ヒラリー・クリントン氏の勝利確率を71.4%、トランプ氏の勝利確率を28.6%としていた。

その時の世間の雰囲気と比べると、今の方がトランプ氏の大統領選勝利の現実味は高いようには見える。トランプ氏が出馬した場合、どのような大統領選が繰り広げられるか。

いずれにしても、トランプ氏が出馬したら、その一挙手一投足に世界中の注目が集まる日々がまた始まるのだろう。