FIA、F1、F1各チームの代表者で構成される技術諮問委員会の会合が7月15日に行われ、F1マシンのロールフープの強度を上げることが議題のひとつとして取り上げられ、2023年に新たな規定が導入される見通しとなった。イギリスGPで周冠宇(アルファロメオ)のマシンがクラッシュの後にひっくり返った際に、ロールフープがすぐさま破損、ドライバーの身体を守る役割を果たさなかったことが問題視されている。
スタート直後に他車からヒットされた周のマシンはひっくり返り、ロールフープが破損した状態でコースから飛び出してグラベルトラップを滑っていき、タイヤバリアに当たって、バリアとネットの隙間に落下した。幸い周はヘイローによって守られ、大きな怪我はせず、次戦オーストリアに出場することができた。
![2022年F1第10戦イギリスGP クラッシュで逆さまになった周冠宇のアルファロメオC42](https://cdn-image.as-web.jp/2022/07/16123354/asimg_22R10BriSu-Zho-XPB21_5d62d231a13f228-660x440.jpg)
15日、FIAが発表した声明には次のように記されている。
「チームは、2023年、ロールフープに、より厳しい措置を導入することが可能であることを確認した。FIAは関連する分析を完了し、チームに対して、ロールフープの安全性に関する新たな要件を伝えることを約束した」
FIAは、ロールフープの強化のため、荷重テストをより厳しくするとともに、デザインの変更を求める可能性もある。
アルファロメオのチーム代表フレデリック・バスールは、オーストリアGPの週末、ロールフープに関して現在も調査中であるとコメントした。
![2022年F1第10戦イギリスGP 事故後の周冠宇のアルファロメオC42](https://cdn-image.as-web.jp/2022/07/07070543/asimg_22R10BriSu-Zho-LAT11_ba62c607379abd7-660x440.jpg)
「クラッシュについて今も調査中であり、すべての情報をFIAと共有するつもりだ。ひとつめの問題は、あのクラッシュは、通常のクラッシュテストでの負荷の2倍の力がかかるものだったことだ。路面には、4~5cmの溝ができていた。安全性を向上させるため、我々の側でも、さらにFIAと協力し合う形でも、対策を講じる必要がある」
「ただ、ポジティブな見方をしたい。あれほど大きなクラッシュにもかかわらず、何も起こらなかったのだ。燃料が漏れていたら、どうなっていたか、想像もつかない。安全(対策)のおかげで、燃料は漏れなかった。もし漏れていたら、最悪のシナリオになっていただろう」