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Image:Tester128/Shutterstock.com

アップルがMacやiPhoneを突然大幅値上げしたことは記憶に新しいが、インテルも今年後半、CPUや各種部品の、最大20%もの値上げを計画していると報じられている。

日経の英字メディアNikkei Asia(以下「日経」)によると、インテルはCPUと周辺チップの大半について、コスト上昇を理由に値上げすると顧客に通知したとのことだ。対象とされる製品には、サーバーやPC向けCPUのほか、Wi-Fiなど接続用チップなど幅広い品目が含まれている。

匿名のインテル幹部いわく、製造や材料にかかるコストが急騰しているため、値上げを迫られているそうだ。また日経は、全世界でインフレが急進していることも指摘。特に米国では6月に消費者物価が9.1%上昇し、実に40年ぶりの記録になった。

これらCPUや周辺チップは、インテルにとってビジネスの大半を占めるものだ。値上げ幅は決まっておらず、チップの種類により異なる可能性もあるものの、最低でも1ケタから、場合によっては10~20%以上になりそうだと伝えられている。

日経に対してインテルは「第1四半期の決算説明会で、インフレ圧力によって一部分野で値上げすることを示唆した。これらの変更について顧客への案内を始めた」との声明を出している。つまりCPUなど製品を特定したわけではないが、なんらかの値上げはあると認めた格好だ。

インテルは2022年後半、次世代CPU「Raptor Lake」を市場に投入する見通しだ。これらが導入されたPC製品は、やや高めの価格になる可能性がありそうだ。

その一方、インテルの顧客であるAcerの会長は、もはやチップ不足は解消しており「チップ製造会社のCEOは、最近もっとチップを買ってくれと電話してきた者がいるぐらいだ」と語っている。

またスマートフォンやPC、テレビやゲーム機などの需要も今年初めに弱まり、各社とも売れ残りの在庫が膨らんでいるとも伝えられている。

今後の新製品は値上げせざるを得ないようだが、市場は冷えつつあり、既存製品も売上が伸び悩む。秋に発売を控える「iPhone 14」シリーズも前年より100ドルの値上げが予想されているが、年末商戦はどのメーカーも苦戦を強いられるかもしれない。