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 7月16日、静岡県の富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の公式予選。この日はフリー走行から雨模様となり、公式予選でも時折危険になるほどの雨が舞うコンディションとなったが、一度目の赤旗中断後、やや雨量が強くなってきたなかでひとりタイムを上げていたのが、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)だった。8周目に1分37秒278にタイムを上げ、予選4番手に食い込んだ。

 今季序盤戦は、セットアップなど苦しい戦いが続いていた阪口。ただ今季は第3戦鈴鹿のウエットで浮上のきっかけをつかむと、第4戦オートポリスでも予選Q2に進出。さらに決勝でも今季初ポイントを獲得し、少しずつ復調の手ごたえをつかみはじめていた。

 迎えた第6戦は、朝から雨模様。鈴鹿でもウエットで手ごたえを感じていた阪口は、「もともとウエットは強いのは分かっていたので、チャンスだと思いクルマに乗り込みましたし、トップ3に入れる自信がありました」と予選に臨んだ。雨量が少ないコースオープン直後がチャンスで、チームメイトの坪井翔はこのタイミングで1分36秒858をマークするが、阪口は1分38秒228に留まった。

 一度赤旗中断があった後、雨量が強くなりタイムアップするドライバーが少ない状況ではあったが、ここで唯一タイムを上げていったのが阪口だった。7周目に1分37秒881を記録すると、さらに翌周の8周目には1分37秒278にタイムアップ。これで4番手につけることになった。

 この状況について阪口に聞くと、「1セット目のニュータイヤでのアタックはそのポテンシャルをまったく活かせませんでした」という。ただ、その活かせなかった走行で「うまくいかなすぎて、どうしたら直るかが分かっていた」ことからセットアップを変更したことで「急激にポテンシャルが上がった」ことがタイムアップに繋がった。「本来の自分たちのウエットのパフォーマンスに戻っただけだと思っています」と阪口は振り返った。

 とはいえ、もし雨量が少なかったコースオープン直後にセットアップが合っていれば、さらに上位に食い込んでいた可能性がある。「タイミングが合わせられなかったのはかなり残念なところだと思っています。ちゃんとタイミングを合わせられた人が上位にいったと思うので、そこは素直に負けだと思っています。ただ逆に言えば、ちゃんと合えば速いのはかなりポジティブな要素なので、この点はかなり自信をもっていけると思います」という。

 今季はこれまで思わぬ不調に苦しめられていたが、P.MU/CERUMO・INGINGは坪井が2番手、阪口が4番手と2台がそろって上位に食い込んだ。このグリッドを結果に繋げられるか、7月17日の決勝はドライが予想されており、ここでのポテンシャルが課題となる。

 阪口は「ウエットで少なからずヒントがありました。最近抱えている問題を解決できそうな気配があったので、それがちゃんと明日結果に表れるように頑張っていきたいと思います」と決勝に向けてさらなるセット改良を目指したいと語った。