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カーツ佐藤の日本映えない紀行 第10回「カルガモ注意の標識が新設された中原区」

 全国的には無名でもご近所ではそこそこ有名……。そんな、今でいう“映えない”んじゃないか?ってなスポットに、稀代のコラムニスト カーツ佐藤が無理矢理スポットライトを当ててまいります……。(第10回)

※本稿は2022年5月のものです
文/カーツ佐藤、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年6月26日号

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■心よりの謝罪

 オレの住んでる神奈川県川崎市中原区。たまァ~に全国区で取り上げられるニュースがあったとしてもロクなのがない。タワーマンションが浸水した……とか。

 そんななか!! 我が中原区では珍しく、微笑ましいニュースが全国的に報道された!!

 今年の3月。『カルガモ注意の道路標識が新設』されたというニュース!!

 ニュースを要約しますと、

“中原区の『江川せせらぎ遊歩道』にはカルガモが住んでいるが、そのせせらぎ遊歩道を分断するように中原街道という大きな道路がある。その中原街道をカルガモが歩いて横断することがあるので、ドライバーの皆さんに気をつけていただきたいと、全国でも珍しい『カルガモ注意』の道路標識を作った”

 ということでございます。

 考えてみりゃ、この『ベストカー』は自動車雑誌。そこに新しい道路標識のネタが載るのは、これはもう違和感ゼロの話ですよ!

 ってことで行ってきました、カルガモ注意の標識があるという中原区は下新城の巌川橋交差点!

 いや~いたいた! カルガモがいた!

『江川せせらぎ遊歩道』のせせらぎ部分である小川を、つがいなんでしょうね、2羽のカルガモが健気に泳いでる! それもけっこう目の前の近距離!

まだ卵は産んでないと思われる、つがいらしきカルガモ。邪気などまったくない澄んだ瞳に感動すら覚える

 なんて可愛らしいんでしょう、カルガモ! その純真無垢な姿を見て、ワタクシはふと思い出した。

 つい2日ほど前。よく行く焼鳥屋さんで、鴨の串焼きを「うまいうまい」言いながらしこたま食べていた自分を……。

 心の底から鴨一族の皆様には、お詫び申し上げます。

 で、カルガモはいたんだけど、例の標識をまだ見ていなかった。

 この小川にたどり着くまで、標識があるであろう中原街道沿いを歩いてきたんで、普通だったら、カルガモの前に標識を発見していてもおかしくないんだけどなァ~と。

 また、中原街道まで戻り、小川周辺を行ったり来たりして、川の15メートル手前くらいに、やっと標識を発見!

標識の表面を見ると反射素材っぽいので、昼よりも夜が目立つのかもしれない。だからオレはすぐ見つけられなかった!?

 そこでつくづく思いました。

 運転中にこの標識を見つけられるような動体視力を持つドライバーならば、標識の前にカルガモ見つけてるよ!

 カルガモが道路を横断しないですむような根本的な解決をしたほうがいいと思うんですけど……。鴨喰って喜んでるワタシに、そんなエラソーなことをいう資格はまったくない!

 再度鴨一族の皆様には、心よりお詫び申し上げます。

●『カルガモ注意の道路標識』…神奈川県川崎市中原区と高津区の区境/中原街道の巌川橋交差点付近
今回の映えない度…★★☆(映えないというより目立たない)
※「映えない度」は最高3つ★

●今回の出費…武蔵小杉~下新城(東急バス)/往復420円

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