Intelでは当初は2021年中にリリース予定だったサーバー・データセンター向けCPUであるSapphire Rapids世代のXeonですが、Newegg上にCPUクーラーのみが発売されていますが、肝心な本体についてはどうやら2023年まで供給が遅れる可能性があるようです。
遅れるSapphire Rapids
IntelではAlder Lake-SのP-Coreに搭載されているGolden Cove CPUを最大56コア搭載したサーバー・データセンター向けにSapphire Rapids Xeonを2021年供給開始を目標にをしていましたが、2021年末には2022年頃になると発表され、2022年6月頃には『予定より遅れている』と具体的な日程については明らかにされていませんでした。
しかし、アメリカのNewegg上ではSapphire Rapids Xeonに対応したCPUクーラーが発売されているようですが肝心なSapphire Rapids Xeonについてはアナリストによると遅い場合2023年Q2(4月〜6月)にまで遅れる可能性がある事が指摘されています。
Sapphire Rapids対応、CPUクーラーが50ドルで発売中
Newegg上に出現したのはSapphire Rapidsから設定されるLGA4677ソケットに対応したCPUクーラーが出現しています。このCPUクーラーは銅製ヒートパイプ4本がCPU本体と密着する設計になっており、サーバー用の強力ファンと組み合わせることでTDP 300WのSapphire Rapidsまで対応することが可能となっています。なお、Sapphire Rapidsの中にはTDP 350W〜400Wまで持つモデルも存在するため、このCPUクーラーでは性能不足となる可能性もあります。
ちなみに、Sapphire Rapids対応のCPUクーラーは出現していますが、肝心なSapphire Rapids CPU本体についてはまだまだ発売がされない可能性が高いようです。
Sapphire Rapidsの供給は2023年Q2まで遅れる可能性
Intelでは2022年6月にSapphire Rapidsに関して量産立ち上がりが『想定より遅れている』事を発表しましたが、具体的にどこまで遅れるのか詳細については伏せられたままとなっていました。
しかし、香港を拠点に置く投資会社、TF International Securitiesのアナリストが集めた情報によると、Sapphire Rapidsの供給については2023年Q2、つまり4月〜6月頃まで遅れる可能性があるようです。
TF International Securitiesのアナリスト、Ming-Chi氏によると、サプライチェーンなどの状況を精査した所、この遅れの可能性が出てきたようで、Sapphire Rapidsはもともと2021年Q4に供給開始予定だったものが、2022年下半期に延期された背景がありますが、今回はさらに遅れるという事となりSapphire Rapidsのあとに控えるサーバー・データセンター向けの新製品投入スケジュールにも大きな影響を与える可能性があると見ています。
Sapphire Rapidsについてはもともと、AMDのZen3アーキテクチャーを採用するEPYC Milanに対抗するものとして投入が予定されていましたが、2023年Q2まで遅れるとZen4アーキテクチャーのEPYC Genoaのみならず、3D V-Cache化されたEPYC Genoa-Xとも戦う必要があり、Sapphire Rapidsの次世代モデルでZen4を念頭に開発されているEmeralds RapidsについてもZen5やZen5 V-Cacheと対抗することになります。
今回出現した情報の通り2023年にSapphire Rapidsが延期となるとIntelのサーバー・データセンター向けCPUの計画は完全に周回遅れになってしまいますので抜本的に開発計画の見直しなどを迫られる可能性がありそうです。
かと言って今から計画変更をしても2024年には256コアを搭載するEPYCも計画されていると言われているため、どう立ち向かうのかわかりませんが・・・
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