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<p>北極海横断海底ケーブルが実現すると日本とヨーロッパの間の通信は30~40%高速化する</p><p>北極海横断海底ケーブルが実現すると日本とヨーロッパの間の通信は30~40%高速化する</p><p>地球温暖化の影響で、北極海では海氷が減少しています。海氷面積の減少は生態系の破壊や、さらなる温暖化の加速につながると危険視されていて、また、欧米諸国とロシアの地政学的対立の激化にもつながっているとの見方があります。</p><p>ケーブルの総延長は1万2650kmで、コストは約650億ルーブル(計画当時で約1100億円)。ケーブルの運用を担当する国営企業Morsvyazsputnikによると、2021年8月6日にバレンツ海のほとりにあるムルマンスク地方の村・テリベルカで敷設作業がスタート。2024年にシベリアまでの敷設を行い、2026年までの工事完了を目指しているとのことです。 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アラスカ沿岸部に1180マイル(約1900km)の海底ケーブルを保有するQuintillionのマット・ピーターソンCTOは「北極海に海底ケーブルを敷設するのは並大抵のことではありません。作業ができるのは氷に閉ざされない夏の間だけで、氷床が移動することでケーブルが切断される恐れもあります」と危険性を指摘しています。 しかし、Quintillionも新たにアジアとヨーロッパを結ぶケーブルの敷設を計画しており、まずアジア~アラスカ間を3年かけて完成させたのち、カナダ~ヨーロッパ間に着手する予定だとのこと。 The Global Impact of a Trans-Pacific Fiber Optic Cable Route – Quintillion 「Far North Fiber」プロジェクトに携わるFar North Digitalの共同創業者イーサン・バーコウィッツ氏は、北極海を横断する海底ケーブルは必要不可欠なインフラなので、海氷の減少が問題として取り上げられるようになる以前から考えていたとのこと。バーコウィッツ氏は、「海底ケーブルが切断される問題の多くは、船や、船が下ろしたいかりによって、海底が荒らされることで発生します。氷に覆われる北極海であれば、そのような問題は起きません」と語っています。 この記事のタイトルとURLをコピーする</p>