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「はぁー、一世紀も生きちょっとじゃねぇ」。誰かがため息交じりにつぶやいた。 山が萌黄(もえぎ)から深緑に変わる頃、母は101歳の誕生日を迎えた。80歳の長男を頭に6人の子供たちが集合した。「母ちゃんおめでとう」。それぞれの口から出た言葉だ。耳が遠くなり不可解な顔をしている。 妹が耳元で「…