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<p>結びの熱戦「まわし待った」で大混乱 大相撲</p><p>結びの熱戦「まわし待った」で大混乱 大相撲 若元春が寄り切ってから勝負が再開するまで実に7分30秒以上。</p><p>横綱初挑戦の若元春が右上手を引いて果敢に攻め、照ノ富士はじっくり我慢しながら勝機をうかがう。17日の大相撲名古屋場所8日目。今場所最多となる約6700人の観客…</p><p>「行司待った」の後に押し出された照ノ富士=ドルフィンズアリーナ(撮影・薩摩嘉克) 横綱初挑戦の若元春が右上手を引いて果敢に攻め、照ノ富士はじっくり我慢しながら勝機をうかがう。17日の大相撲名古屋場所8日目。今場所最多となる約6700人の観客がわいた結びの一番は、思わぬ形で決着することになった。 若元春のまわしの結び目がほどけたのに気付いた立行司の式守伊之助が「まわし待った」を掛けた。だが、ちょうど前に出ようとしていた若元春にその声は届かず、「待った」が分かって力を抜いた照ノ富士を寄り切ってしまったのである。座布団が舞い、横綱は「え、なんで」と言わんばかりの不服な顔で伊之助に視線と右手を向けた。 館内が騒然とする中、審判の親方衆が協議を行い、「待った」が掛かった状態から組み直すことに。取組中の「待った」は通常、膠着(こうちゃく)したときに掛け、その場で両力士を止めるのだが、すでに動いてしまっているので、どんな体勢だったか判然としない。佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)がビデオ室と無線でやり取りしながら形を作り直した。若元春が寄り切ってから勝負が再開するまで実に7分30秒以上。あまりに「止め方とタイミングが良くなかった」(審判部の親方)ことで前代未聞の大混乱を招いた。 再開後は照ノ富士が若元春を下手投げで下した。照ノ富士はオンライン取材に姿を現さず、若元春は「待ったは全然、分からなかったですね。取ったばかりで頭が真っ白」と力のない苦笑い。大善戦の若元春から不満が出なかったことは救いだったとはいえ、見る側の後味は良くなかった。(宝田将志)</p>