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<p>『トイ・ストーリー3』ラストシーンはなぜ泣けるのか | THE RIVER</p><p>『トイ・ストーリー3』ラストシーンはなぜ泣けるのか 「あばよ、相棒」 #金曜ロードショー #金ロー #トイストーリー #トイ・ストーリー</p><p>当時の評価と共に振り返る</p><p>本作が傑作と歌われる所以のひとつは、シリーズ1作目『トイ・ストーリー』(1995)、2作目『トイ・ストーリー2』(1999)に続く物語を締めくくる、感動的なラストシーンによるところが大きいと言って異論は少ないだろう。1995年米公開の第1作目から15年、当時子どもだった世界中の観客と同じように成長したアンディは、大学進学を目前にして、大好きなオモチャたちとの別れを告げることになる。 この記事には、『トイ・ストーリー3』(2010)のネタバレが含まれています。 『トイ・ストーリー3』ラストまでのおさらい ウッディは、アンディと共に大学の寮に引っ越すことになっていた。仲間たちと別れの言葉を交わしていたところ、アンディと母が部屋にやってくる。「ずっと一緒にいられたら良いのに」と寂しがる母に対し、別れなければいけない運命を認めている様子のアンディの姿を見たウッディは、自分もアンディの元を離れるべきであり、仲間たちと共に新しい持ち主の元へ行くべきなのだと悟る。「屋根裏」行の段ボールに滑り込むウッディは、とっさにアンディへのメモ書きを残した。それを見たアンディは、少女ボニーへオモチャたちを譲ろうと決意するのだ。 無邪気なボニーが、かつての少年アンディを思い起こさせるようにオモチャで遊ぶ庭。1995年の『トイ・ストーリー』から勇気あふれる冒険を繰り広げたオモチャ達が、その心優しい持ち主の手によって、最後に一体ずつ紹介を受ける。ジェシーは西部イチのカウガール。そして、動物が大好きな彼女の相棒、ブルズアイ。アンディにとって、これらはただのオモチャではない。それぞれに個性を持った、かけがえのない仲間たちなのだ。 アンディは誇らしげに紹介を続ける。臆病者のレックスを、アンディは「地球上で一番恐ろしい恐竜」と称え、ミスター・ポテトヘッドとミセス・ポテトヘッドには「愛し合っているから、一緒にしといてね」と気遣う。時には身体を張って活躍したスリンキーの勇姿をアンディは直接目にしたことはないが、ちゃんと「どんな犬よりも忠実なんだ」と分かっている。おっとり者のハムには「悪者ドクター・ポークチョップ」というカッコいい役割を与えていた。エイリアンの3体は「ピザ・プラネット」からやって来た仲間たち。『トイ・ストーリー』1作目、アンディが小さい頃より憧れていた場所からの使者だ。 とっておきはバズ・ライトイヤー。「最高にカッコいいよ!」とアンディは子供に戻って興奮をボニーと分かち合う。空も飛べるし、レーザーも撃てるんだ。「無限の彼方へ、さぁ行くぞ!」勇気あふれるこのセリフは、いま、ボニーの小さくて無垢な指で再生された。幸せそうな顔で、ボニーを取り囲むオモチャたち。これは、『トイ・ストーリー』物語のカーテンコールだ。そして同時に、ボニーという次世代へと受け継がれる継承の儀式でもあった。 ここで終わらない。ボニーは段ボール箱の中に、まだ何か残されていることに気付く。いるはずのないウッディが、柔らかに横たわっていたのだ。「おれのブーツにゃ、ガラガラ蛇!」ボニーは『トイ・ストーリー3』の中で、既にウッディと親友になっていた。受け取ろうとするボニーの手を、アンディはとっさに避けてしまう。「こいつだけは、渡せないんだ」というような目で……。 『トイ・ストーリー3』公開当時のメディアの評価</p>