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ライズ カローラクロス ジムニーは月々のローン2万円に収まる? 年収300万円の人が買えるSUV5選

 日本人の平均年収は1997年の467万3000円をピークに、2020年は433万1000円と、世界各国の平均収入が順調に向上しているのに対し、なかなか上がらない。

 また、国税庁の発表による2020年の給与所得者5244万6000人の給与の分布によると、300万円から400万円の割合が最も多く全体の17.4%、次に多いのが200万円から300万円以下で15.5%だったという。

 そこで今回は、年収300万円以下の人が、無理なく買えるクルマはどんなものがあるのか、調べてみた。

 収入に対し、クルマ、物価は上昇傾向だが、残価設定ローン(将来のクルマの価値=中古車価格を最初からアテにすることに対する是非はあるにせよ)をはじめ、支払い方法によっては、現在人気のSUVとクロスオーバーのなかにも無理のない月2万円までの支払いで購入できる車種もあり、ここでは月2万円までの支払いで乗れる楽しいSUVとクロスオーバーをピックアップしていきたい。

※本稿は2022年2月のものに適宜修正を加えています。
文/永田恵一
写真/ベストカーweb編集部、トヨタ、日産、ホンダ

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■月々2万円のローンで収まるクルマをチョイス

 ここで挙げていくのはおおよそ車両価格200万円以下のSUVとクロスオーバーなのだが、残価設定ローンでもさすがに月の支払いを2万円に抑えるには頭金なしは無理なので、最大50万円の頭金を用意することとした。

 クルマの仕様は、メーカーオプションは非装着車に自動ブレーキのみを基本に、カーナビはスマホ接続でナビ代わりにも使えるディスプレイオーディオ(以下DA)を含め装着、ディーラーオプションはETCとフロアマットという最低限のものとした。

■トヨタ ライズ&ダイハツ ロッキー(170万7000円~)

トヨタ ライズ。ライズはコンパクトSUVでありながら後席は2人がゆったりと座れる上、ラゲッジスペースも大きい。1.2リッターNAのXグレードなら頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと月1万8500円だ

 ダイハツ主導で開発されたこの2台は5ナンバーサイズのコンパクトSUVである。

 この2台は5ナンバーサイズという日本では実に扱いやすいボディサイズながら、2人がユッタリと座れるリアシートとアンダーボックスを含めボディサイズを考えれば広大なラゲッジスペースを持つ点が大きな魅力だ。

 エンジンは2021年11月の商品改良ですべて3気筒となる、FFがベーシックな1.2リッターNAと1.2リッター2モーターハイブリッド、4WDが1.2リッターターボとなった。

 それぞれ、1.2リッターNAは十分なパワーと乗り心地をはじめとしたバランスの良さ、1.2リッター2モーターハイブリッドはバッテリー容量が小さいため、エンジンの掛かる頻度が多くハイブリッドカーにしては騒音が気になるものの、低燃費とハイブリッドカーながら低価格な点、1リッターターボはドライバビリティと動力性能の良好なバランスといった特徴を備える。

 それでいて価格はライズでLEDヘッドライトやキーフリーシステム&プッシュボタンスタート、自動ブレーキと十分な装備が揃うXで1.2リッターNA/170万7000円、1.2リッターターボ4WD/198万4800円、1.2リッター2モーターハイブリッドのG/216万3000円と、コンパクトカーと比べられるくらいリーズナブルなこともあり、登場から2年が経っても依然好調な販売も納得だ。

 月2万円に収める購入プランは前述の1.2リッターNAの「X」に、メーカーオプションのDAなどを付け(現金払いでの総額197万1870円)、頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと、5年後の査定が約39%となる59万7450円と良好なこともあり、月1万8500円で抑えられる。

 なお、残価設定ローンだと頭金40万円/2万500円、頭金30万円/2万2500円と、頭金を減らしても月の支払いは意外に変わらない。

■トヨタ カローラクロス(199万9000円~)

トヨタ カローラクロス。ミドルサイズSUVのカローラクロスだが残価設定ローンであれば月に2万円で収まる。大きいボディのためラゲッジスペースは大きく、1.8リッターNAのG“X”であれば、頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと月1万9200円
トヨタ カローラクロス。ミドルサイズSUVのカローラクロスだが残価設定ローンであれば月に2万円で収まる。大きいボディのためラゲッジスペースは大きく、1.8リッターNAのG“X”であれば、頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと月1万9200円

 カローラクロスは車名の通り、FFを主としたカローラをベースとしたクロスオーバーである。

 1.8リッターNAと主力となる1.8リッターハイブリッドを搭載するカローラクロスは乗ると、全体的にカローラらしく特に気になるところもなく、全体的に普通と言えば普通のクルマである。

 カローラクロス最大の魅力はミドルクラスの大きなボディサイズによる特にラゲッジスペースの広さを持ちながら1.8リッターNA/G”X”の199万9000円から、1.8リッターハイブリッド/Gの259万円からと、ステーションワゴンのカローラツーリングよりリーズナブルな価格設定だ。

 例えるなら「自動車業界のビックマックのバリューランチセット」といったところだろうか。

 月2万円に収める購入プランに当てはまるのは、スマートエントリー&プッシュボタンスタートが付かないという不満はあるが、それ以外はLEDヘッドライトや自動ブレーキと運転支援システムから構成されるトヨタセーフティセンスなどフル装備で199万9000円となる前述の1.8リッターNAのG”X”だ。

 このグレードでもDAは装備されるので、最低限のディーラーオプションを付けた現金払いでの総額は230万5470円となり、頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと、5年後の査定が約41%となる73万9630円と高いこともあり、月1万9200円で済む。

 この月の支払いを見ると、ガソリン代や自動車税といった維持費が納得できるなら、「前述のライズXよりもカローラクロスG”X”のほうがいいのではないか」と感じるくらい、カローラクロスG”X”はお買い得感の高いクロスオーバーである。

 なお、トヨタ車はKINTO(任意保険、自動車税、整備費なども込みとなる頭金無しのサブスクリプション)もあり、特に残価設定ローンは事故に備えて、フルカバーの車両保険に入る必要があり、車両保険も含めると保険代だけでも月1万円程度掛かることも珍しくない。

 そのため「月3万円までなら、残価設定ローンの月2万円と同じ扱い」と考え、KINTOも計算してみた。

 しかし、KINTOでは同じグレードのライズ、カローラクロス、ここには挙げなかったヤリスクロスともに月3万5000円を超えてしまった。

 それでも支払いの一本化による手間のなさや各々の任意保険代によってはKINTOも候補に入れたい選択肢の1つなのも事実だ。

■マツダ CX-3(189万2000円〜)

マツダ CX-3。見た目のスタイリッシュさと内装の質感であれば、同クラスでは敵なしのマツダCX-3。頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと月2万202円とほぼ2万円だ(画像は特別仕様車「Super Edgy (スーパー エッジー)」)

 CX-3は現在のマツダ2、以前のデミオベースとなる、最低地上高がそれほど乗用車と変わらないコンパクトクロスオーバーである。

 CX-3はリアシートやラゲッジスペースの広さは同クラスの水準以下で、乗ってみても登場から時間が経っていることもありごく普通という印象だ。

 しかし、広さと引き換えに得たスタイリッシュなエクステリアは人によっては「それだけで十分」といえる魅力であり、インテリアの質感は同クラスの水準を未だに大きく上回る高さだ。

 それでいて、2020年に追加された1.5リッターガソリンの価格は189万2000円からとリーズナブルなので、絶対数はともかくとして「CX-3の見た目が好き」という人であれば、素晴らしい選択肢となるだろう。

 月2万円に収める購入プランに当てはまるのは、なぜかタコメーターが付かないという不満はあるが、それ以外はLEDヘッドライトや自動ブレーキに加え、アルミホイールなどもフル装備なので、外からはベーシックグレードとは分からない189万2000円となる前述の15Sだ。

 CX-3もDA付なので最低限のディーラーオプションを付けた現金払いでの総額は214万2466円となり、頭金50万円の60回残価設定ローンだと5年後の査定は35%となる60万2000円とそれほど高くないものの、金利が2.99%と低いこともあり、月の支払いは2万202円とほぼ2万円に収まる。

■スズキ ハスラー(151万8000円~)

スズキ ハスラー。ハスラーは遊びに行きたくなる楽しげな内外装で人気が爆発した。最低地上高が高いことから悪路走破性も兼ね備えている。NAエンジンを搭載する上級グレードのハイブリッドXなら頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと月1万7500円

 ハスラーはスズキの乗用軽自動車をベースに最低地上高を上げるなどしたクロスオーバーで、2013年に登場した初代モデルは爆発的なヒット車となった。

 2019年に登場した現行型2代目モデルもエクステリアを含め完全なキープコンセプトだが、ハスラーの大きな魅力は遊びに行きたくなる、楽しげな内外装の明るい雰囲気だ。

 また、走りもボディ剛性の向上などでよりシッカリとしたものとなっているのに加え、クロスオーバーながら最低地上高は180mmとSUV並みということもあり、深い雪道をはじめとした悪路も期待以上に走れる点も有難い。

 さらに真四角に近いエクステリアなので軽自動車にしてはリアシートとラゲッジスペースも広いので、実用性も高い。

 月2万円に収める購入プランに当てはまるのは、NAエンジンを搭載する上級グレードのハイブリッドX(151万8000円)が代表的だ。

 このグレードにメーカーオプションの全方位モニター付メモリーナビゲーション/18万4800円と最低限のディーラーオプションを付けた総額は182万3905円で、頭金50万円の60回残価設定ローンだと5年後の査定は30%となる46万4400円と低いが、月の支払いは1万7500円となる。

 また、頭金40万円でも60回残価設定ローンだと月の支払いは1万9400円と2万円に収まる。

 ちなみにプランに挙げた総額182万3905円のハスラーハイブリッドXであれば、頭金50万円の72回通常ローンでも月の支払いは2万2400円と、2万円にかなり近い。

■スズキ ジムニー(148万5000円~)

スズキ ジムニー。乗り心地の悪さや軽にしては燃費が悪いものの、世界トップクラスの悪路走破性を持つ。ベーシックグレードグレードのXG、もちろんマニュアルも選択可能で頭金50万円の60回残価設定ローンを組むと月1万8800円

 2018年に現行モデルとなったジムニーは本格オフローダーとしては世界最小となる軽自動車である。

 ジムニーは乗り心地の悪さや騒音の大きさにより長時間乗っていると疲れる、軽自動車にしては燃費が悪いといった弱点も少なくない。

 しかし、弱点と引き換えに「世界屈指のオフローダー」といえる悪路走破性を備えており、この点はジムニーを悪路で使わない人にとっても「ジムニーに乗る誇り」や「世界屈指のクルマに乗っている」といった意味での魅力となっている。

 また、ジムニーは普通に乗っていても特にMT車だと“自分がクルマを動かしている感”に溢れているという運転する楽しさや、真四角なため意外にリアシートも広く、想像以上に荷物が積めるという点でなかなか便利なクルマでもある。

 月2万円に収める購入プランに当てはまるのは、ベーシックグレードのXG(MTで148万5000円)が代表的だ。

 このグレードにメーカーオプションの自動ブレーキ/4万2900円と最低限のディーラーオプションを付けた現金払いでの総額は185万2470円。

 頭金50万円の60回残価設定ローンだと5年後の査定は30%となる41万6700円とハスラー同様に低いが、月の支払いは1万8800円だ。

 ちなみに、頭金40万円でも60回残価設定ローンだと月の支払いは2万600円と月の支払いはほぼ2万円に収まる。

 なお、スズキの残価設定ローンは査定がハスラーやジムニーのような人気車でも市場価値よりも安い印象なので、支払い終了近くに買い取り店などで査定してもらい、その査定が残価設定ローンの査定よりも大幅に高いようであれば、お金を工面して一度自分のものにしてから売却するという作戦も考えたほうがいいかもしれない。

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