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 アルピーヌは、同社のすべての部門で女性の割合を増やすことを目的としたプログラム『Rac(H)er』の開始を発表した。アルピーヌによると、この革新的なプログラムは、真の“パフォーマンス差別化要因”となる才能とスキルを持つ女性の人材群を活用することを目的としているという。

 またルノー・グループ内の多様性を推進する取り組みの一環として、BWTアルピーヌF1チームは、ドライバー候補も含めて女性の登用を増やすための包括的なプログラムを導入する予定だ。

 アルピーヌは、現在従業員に占める女性の割合が12%に過ぎないと述べている。『Rac(H)er』のプラットフォームは、アルピーヌにおける女性の比率を漸進的に5年間で30%にまで増やすことを目標とする。地元のSTEM(科学・技術・工学・数学)プログラムへの投資もあり、女性たちは科学や工学の分野に進み、長期的に学ぶことを奨励される。

 なおレース面では、アルピーヌのドライバー・アカデミーは、F1参戦を目指す若い女性カート選手を若年のうちに発掘することを目指す。プログラムは「レース計画、テスト計画、体力トレーニング計画およびメンタルトレーニングプログラムを作成するための総合的なロードマップを展開し、これらの才能の持ち主たちの成長をサポートする」という。

2022年F1第11戦オーストリアGP フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

「F1チームおよびルノー・グループのブランドの一員としての役割は、我々のエコシステムをさらに包括的なものにし、多様性を強みとすることに全力を尽くすことにある」とアルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシは説明した。

「すべての才能が将来開花できるように、スポーツと産業の双方で大きな変革が必要とされていることを、我々は認識している。長期の変革プログラム『Rac(H)er』の立ち上げに際し、我々はこの分野のすべてのプレイヤーに参加してほしいと考えている。団結することでのみ、本当の進歩を遂げることが可能だからだ。そしてそれは、我々にとって本物の成功となるだろう」

アルピーヌ・レーシングSASのCEOローラン・ロッシ

 アルピーヌの人事担当副社長であるクレア・メスニエは、「『Rac(H)er』によって、私たちは統計を動かすだけでなく、真の能力主義を作り出したいと考えています」と付け加えている。

「私たちは、アルピーヌのすべての従業員が取り組むことを前提とした、独自の長期プログラムをデザインしました。チーム内での内省を促し、社内で前進するための具体的な手段を講じることが課題です。社内のすべての分野でこれを実施し、模範を示して取り組みます」

「アルピーヌの経営委員会は、現在50%が女性ですが、これはノルマによって決められたのではなく、彼女たちがそれぞれの専門分野で、役割と責任をリードするのに最適な人材だからです」