ジョージ・ラッセル(メルセデス)が、シルバーストン・サーキットでジョニー・ハーバートとSky Sport F1の動画で共演し、2階建てバスから世界最小のクルマまで、英国が生んだ一癖も二癖もある自動車を使った対決に挑戦した。
「彼は本当にどんなクルマでもドライブできるのか?」というハーバートの疑問に答えるべく、彼との対決に挑んだラッセル。F1イギリスGPの舞台であるシルバーストンにイギリス人ドライバーふたりが揃えば、もちろん使用するクルマもイギリス伝統の名車たちだ。
ふたりはまず手始めに、2階建てバスとアイスクリーム販売用のバンを使ったタイムトライアルで対戦することに。2階建てバスにラッセルは「想像以上に遅い」とぼやき、上下にも前後にも長いこのクルマの取り回しに苦戦。続くアイスクリームバンではふたり揃ってソフトクリーム作りに手こずり、できあがったのは「カオス」(ラッセル談)な代物だった。
結局バス対決はハーバートが制し、アイスクリームバンではラッセルが勝利。ノーハンデのガチンコ勝負ながら、ふたりで勝利を分け合う結果となった。
続いて登場したのは、珍車『ピールP50』。世界最小のクルマとしてギネスブックにも登録されているこの3輪車は、キュートなルックス以上にその操縦性の悪さで有名。手で揺すっただけで横転しそうになるこのクルマで挑むのは、なんとスラロームだ。
ジャンケンの結果先攻となったハーバートは意気揚々とスタートするも、ハンドルを切った瞬間に片輪がリフトする。百戦錬磨のル・マン勝者でも「怖い!」と漏らしてしまうのがこのP50。ふたり揃って最後はクルマから降り、手で引っ張ってゴール。結果は引き分けだ。
4番勝負のラストを飾るのは、イギリスの象徴とも言うべきロンドンタクシーを使った1周のアタック。やっとまともに走れるクルマに乗れた喜びからか、ふたりは黒塗りの車体をロールさせ、タクシーとは思えないスピードでシルバーストンを駆け抜ける。
「室温はどうですか?」とタクシードライバーの役に徹するラッセルに対し、ハーバートはラッセルが話しかけても「今は話しかけないでくださいますか」とそれを放棄。ドライビングに集中した彼は、なんと20秒もの大差をラッセルにつけることになった。
自らのスマートフォンでタイムを測っていたというラッセルは疑惑の判定に抗議するが、結局これは覆らず。最後は彼も先輩を立て、34歳の年の差対決はハーバートの勝利に落ち着いた。