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AMDでは2023年初頭にRyzen 7000シリーズのモバイル版APUである『Phoenix』の投入を予定しており、CPUにはZen4そして、GPUにはRDNA3が搭載されると見られていますが、今回この『Phoenix』とこれらを小型化し、Steam Deckなどに搭載を想定する『Van Gogh』の後継モデルに関するリーク情報が出現しました。

Zen4とRDNA3を搭載する強力APU、Ryzen 7000 『Phoenix 』

AMDではZen4アーキテクチャを採用するRyzen 7000シリーズを2022年下半期にデスクトップ向けの『Raphael』を、2023年初頭にモバイル向けに内蔵GPUを強化したAPU型の『Phoenix』をリリース予定としています。

このRyzen 7000シリーズの中でモバイル向けとなる『Phoenix』では内蔵GPUがRyzen 6000シリーズまで採用されていたRDNA2アーキテクチャーからRDNA3アーキテクチャーに刷新され、GPU性能についてはモバイル向けのエントリーからミドルレンジモデルのディスクリートGPU並みになるのでは無いかとも噂されています。

今回はそんな『Phoenix』についてMoore’s Law is Deadから仕様や性能面での情報が出現しましたが、同時に『Phoenix』の他にSteam Deckで搭載されている『Van Gogh』APUの後継モデルに関する情報も出現しています。

薄型軽量の高価格帯ラップトップを狙う『Phoenix』APU

Phoenixについては、性能面ではエントリーやミドルレンジ向けのGPUを置き換える存在になる可能性はありますが、決してディスクリートGPUが無いからと価格が安くなるというものでは無いようです。と言うのも、Phoenixについては主に軽量薄型の高価格帯ラップトップなどをターゲットとしているためコストパフォーマンスに期待はあまりしない方が良いようです。

  • Phoenixに搭載されるRDNA3ではWGPを6基、Compute Unitは12基搭載され、Stream Processorrは1536基になると見られています。
  • RDNA3ではWGP辺りのCUやSP数がRDNA2比で倍増
  • 動作クロックはRDNA2より速くなる見込み
  • VRAMはメインメモリーと共有だが、DDR5/LPDDR5に対応
  • Infinity Cacheは非搭載なものの、L2キャッシュの大容量化や次世代色空間圧縮などを利用し、帯域幅を節約する模様
  • WGPあたりの性能はRDNA2に対して同じ動作クロックであれば倍増が期待できるものの、GPU性能が倍増という訳では無い模様。ただし、性能はRembrandtに比べて60〜80%高い性能になる見込み
  • AMDではFSR2.0を活用することでラップトップ向けのGeForce RTX 3060並の性能を発揮することが可能と宣伝することを検討している模様。ただ、比較対象は非現実的な構成でマーケティング・ブルシットになる可能性
  • AMDではPhoenixを廉価なラップトップに搭載することは考えておらず、Rembrandtより高価格帯製品になる見込み。

PhoenixについてはCPUもZen4化されているため性能向上が見込まれますが、グラフィックス性能の向上はさらに大きいようで現行のRembrandtに比べて大幅に性能アップが見込まれます。ただ、そこまで高いグラフィック性能を持つAPUはIntelには存在しておらず薄型軽量なのに高いグラフィック性能という点を付加価値に、高価格帯のラップトップ向けに供給がされるようです。

『Van Gogh』の後継モデルの情報。『Little Phoenix』?

PhoenixはTDP35〜45W帯と比較的大きなバッテリーかつ強力な冷却ファンを搭載していないと対応が出来ないAPUとなっていますが、AMDではより低いTDPで動作し、Steam Deckのようなハンドヘルドデバイスに搭載されている『Van Gogh』APUの後継モデルとして『Phoenix』をベースとしたモデルを準備しているようです。

このAPUについては名称については不明ですのでここでは『Little Phoenix』とします。

  • Little Phoenixのダイサイズ110-150mm2で大きさ的にはVan Goghより小さく、Mendocino APUよりは大きくなる見込みです。
  • CPUにはZen4 CPUを4コア8スレッド搭載し、最大4 GHzまでブーストクロックが上がり、Steam Deckよりクロック辺りの性能は25~35%ほど性能が高くなる模様
  • GPU側には4WGP、8CU、1024SPを搭載

CPU側の性能

  • 性能はZen2を搭載するVan Goghより最大50%ほどCPU性能が向上
  • 冷却能力によるが、動作クロックの高さや搭載される追加アクセラレータによっては性能はRyzen 5 3600並みにも及ぶ可能性があり、多くのAAAタイトルを60FPSで動作させることが可能

GPU側の性能

  • GPU側の性能はVan Goghに比べて最大60%の向上に留まる見込み
  • Little Phoenixに対してTDPが15~25W程度に引き上げられればVan Goghに対して倍以上の性能を確保できる可能性
  • もしSteam Deck 2にLittle Phoenixが搭載されるとすると性能面ではRembrandt程度の性能と考えておいた方が安全との事。

Little PhoenixについてはSteam Deck 2に搭載される事が確定と言う訳ではありませんが、Little Phoenixのローンチ自体は2023年下旬を予定していますが、まだ初期段階のリークという事で2024年頃のローンチにずれ込む可能性も十分あるようです。

 

AMDではモバイル向けAPUではCPU性能の向上もZen4アーキテクチャー化によって実現しますが、Ryzen 6000シリーズからはグラフィックス性能に重点を置き始めており、Ryzen 7000 Phoenixではゲーミングするには十分なグラフィックス性能を持ちながら、薄型軽量モデルと言う今まであまり無かった筐体デザインのゲーミングラップトップが見られるかもしれません。

ただ、残念ながらこれらは高価格帯製品として発売はされるようですが、一体ラップトップの筐体でどれだけのグラフィックス性能を出せるのか、本当にラップトップ向けのディスクリートGPUであるGeForce RTX 3050程度まで性能に追いつけるのか気になる所は多くあります。

Ryzen 7000 Phoenixについては2023年1月に開催されるCES2023にて発表がされる見込みですが、どのような製品に仕上がるのか楽しみです。

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