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<p>中国人がアフリカ人をネタにする人種差別的な動画が数百億円規模の利益を生み出しているという指摘</p><p>中国人がアフリカ人をネタにする人種差別的な動画が数百億円規模の利益を生み出しているという指摘</p><p>アフリカ人に中国語をしゃべらせたり、性的な対象としておとしめたりする動画が中国の一部コミュニティで人気を博し、数百億円規模の経済圏を構築していることが報告されています。投稿者の一人はコミュニティ活発化の理由を「中国人は他の国がいかに中国より劣っているかを見るのが好きだ」と推測しました。</p><p>Racist videos about Africans fuel a multimillion-dollar e-commerce industry on China’s TikTok – Rest of World 「African Mr. Hello」というユーザーネームで活動するCheng Wei氏は、中国のさまざまなプラットフォームで1000万人近いフォロワーを獲得しており、1回のライブ配信だけで2万2000ドル(約310万円)近くのグッズを売り上げたこともあるそう。Wei氏が取り扱う主なコンテンツは「アフリカ人の生活」であり、地元の人々や食べ物、市場などの撮影のほか、貧しい老人に食べ物を届けるビデオや、老人のために木造の小屋を建てる手伝いをするビデオを何本も作ったとのこと。 ニュースサイト・Rest of Worldの取材に対し、Wei氏は「自分の活動がアフリカの人々を貧困から救っていると信じています。私は彼らに新しい人生を与え、彼らは私を成功に導いてくれました。これは相互の関係です」と語っており、配信活動を通じて現地の人々を支援していることを強調しています。 Wei氏のようなアフリカで活動を行う中国人は他にも存在し、しばしばアフリカでの支援を主張しているとのこと。しかし専門家によると、このような人物の活動は本質的に「人種的不平等を収益化するもの」だといいます。ミシガン大学で中国のデジタルメディアを専門に研究するSheng Zou氏は「クリエイターは近代的な存在としての自分たちと、どこか劣った、後進的な前近代的な存在としてのアフリカ人との間に、ある種の対比を確立しようとしているのです」と述べています。 Rest of Worldは「中国では、共産党が中国国家に属するという人々の誇りをあおり、西洋の覇権主義に対抗するという枠組みで、過去数十年間、人種差別的ナショナリズムが台頭してきました」と主張。コーネル大学の研究者で、中国文化における人種問題を専門とするKun Huang氏は「アフリカで権力を振るう中国人男性のイメージは、西洋諸国ではなく、自国が他国に影響を及ぼすのを見たいという願望をうまく演出していると思います」と述べました。 中国政府は人種差別的な動画へ対処する姿勢を見せているものの、「世間の怒りがあるときにだけ反応する」といった指摘も行われているとのこと。2022年6月にマラウイの中国人ビデオ制作者Lu Ke氏が少なくとも1人の子どもを身体的に虐待したことが された際、中国政府はDouyinやWeChatなどのSNSで「アフリカ」という言葉を含むアカウントを検索できないように検閲を行ったため、トップインフルエンサーのほぼ全員がライブ配信の停止に追い込まれたそうです。しかし、このような積極的な対応は「経済的・外交的に重要なパートナーであるアフリカで反発を引き起こしたときだけ」だと、ヨハネスブルグ大学アフリカ中国研究センターのエマニュエル・マタンボ氏は指摘しました。 Wei氏はRest of Worldに対し、「中国人は他の場所が中国ほど良くないというのを見るのが好きなんです。もし、ここで先進的なものを撮影したら、人々は見たくないかもしれない。彼らは自分たちよりも悪い生活を見たいのです」と語ったとのことです。 この記事のタイトルとURLをコピーする</p>