レッドブルのセルジオ・ペレスは、RB18の開発が「僕から離れていく」と主張したが、その後マックス・フェルスタッペンは、レッドブルのアップデートは自分に合うように「特別に設計された」ものではないと否定した。
モナコでの素晴らしい勝利に見られたように、ペレスは2022年シーズンの力強いスタートを切ったが、フェルスタッペンと比較するとそのパフォーマンスは一段落ちてきている。ペレスは、RB18にあったアンダーステア気味の特性がアップデートで修正されたため、走行中の感触が悪くなったと感じていると認めた。以前の特徴はペレスのドライビングスタイルには合っていたが、フェルスタッペンの好みではなかったという。
「最初の頃ほど(マシンの開発は)快適なものではなくなっていると言っておこう」とペレスは『The Race』に語った。
フェルスタッペンは、RB18の開発は彼の要求に合わせたものではないと主張した。だが、レッドブルのエンジニアは常にフェルスタッペンの意見を考慮している。
「僕たちは常にマシンを速いものにしようとしている。マシンに何が持ち込まれようと、それに適応しなければならない。それが僕がやってきたことだ」と現世界チャンピオンのフェルスタッペンは話した。
「もちろんマシンについての一般的な要望は伝えるけれど、マシンのアップグレードは僕を中心に設計されているわけではない。それはさらにペースを出すためのものなんだ」
レッドブルF1のチーフエンジニアを務めるポール・モナハンは、フェルスタッペンのコメントに同意した。モナハンは、ペレスが最新のマシン仕様に適応するのに苦戦するかもしれないことは認めたが、ペレスもRB18のセットアップを自身のために改良するための手段を持っていると述べている。
「意図的に彼の好みに合わないマシンを作ったわけではない」とモナハンは述べた。「マシンを速くするのは簡単なことではない」
「厳しく制限されたテクニカルレギュレーションと自由度のなかで、ペースを少しでも上げる方法を見つけたら、予算内であればその方法を採用するのが常だ。そうして研究ツールでプロセスを進め、実物大にしてから評価を行う。マシンが速くなりそうだったら、すべてのツールが速くなると示していることを前提に、それを維持することになる」
「現在のところ、ツールの導入についてはマックスの方が適応しやすいかもしれない。セットアップはチェコ(セルジオ・ペレスの愛称)よりも彼に合っているかもしれない。しかしマシンのパラメータは固定されていないし、チェコがセットアップを修正してまた好みのものにできないわけではない。チェコがさらにマシン性能を引き出せる方法を我々が試して与えようとしなかったら、それは愚かなことだ」
「我々は両タイトル獲得を目指してレースをしている。2台ともが理想的にはフェラーリとメルセデスの前にいることが必要だ。だからふたりを上位に据えられるように、我々は全力を尽くしていく」
今シーズンのレッドブルでは、マシン重量が大きな話題となっており、RB18を軽量化するための努力が進められている。フェルスタッペンは全体的には彼のマシンの進化に満足しているが、予選でのシングルラップのペースには今も改善が必要とされている。
「僕たちは予選で素晴らしいとはまだ言えないと思う」とフェルスタッペンは語った。「でもマシンだけの問題ではない。マシンはまだ少し重い」
「もちろん燃料を全部出した状態が僕たちの限界だ。今もマシン重量は減らす必要があるし、そのことに取り組んでいるところだ」
「でもレースではそれほど問題にならないようだ。まず、予選のようにはプッシュできないからね」
「それがマシンを扱うときの助けになっているかもしれない。そして満タンの時の重量の問題がそれほど見られなくなる」