5月に開催された「Google I/O 2022」で発表された、Androidの新サービス「Google Wallet」が、海外で提供開始されている。Googleの広報担当がThe Vergeに伝えたところによると「39か国で展開が始まっており、数日ですべてのユーザーが利用できるようになる」とのことだ。
Google Walletは、既存のGoogle Payをアップデートするもので、デビットカードやクレジットカードなどの支払い関連だけではなく、身分証明書やCOVID-19のワクチン接種記録、各種チケット、デジタルカーキーなどを一元管理する統合サービスになる。
ただしアップデートとはいえ、Google Payという名称自体は支払い関連のために残ることになる。AppleのウォレットアプリとApple Payのような関係と考えていいだろう。
なお、Google Walletという名称が使われるのは、これが初めてではない。2011年にはGoogle初のモバイル決済サービスとして登場している。このサービスは、2015年に発表されたAndroid Payと統合する形で、2018年にGoogle Payへと移行した。
そのGoogle Payが、再びGoogle Walletへと回帰する。Googleによると、日本を含む40か国以上で、Google PayアプリをアップデートするかたちでGoogle Walletが提供される。ただし、米国とシンガポールでは個人間送金機能のためにGoogle Payが残され、別途Google Walletが提供されるようだ。
気になる日本での提供は、「Coming Soon」となっており、時期は明かされていない。身分証明やワクチン接種記録などの対応には時間がかかると考えられるので、早期の提供は難しいかもしれない。
身分証明やワクチン接種記録以外の部分だけを見ていくと、実質的に現状のGoogle Payと違いが無くなってしまう。行政の絡みなどもあり難しいところだが、日本でも早めにこれらの情報との統合が行われることを期待したい。