アストンマーティンF1のチーム代表であるマイク・クラックは、2022年シーズン終了後もセバスチャン・ベッテルとの契約を継続することを期待しており、チームとベッテルが現在行っている協議について「非常に前向き」で「建設的」だと語った。
2021年に始まったベッテルとアストンマーティンのタッグは、これまでのところあまり実を結んでいない。しかしその原因は、ベッテル自身のパフォーマンス不足というよりも、チームが競争力の高いマシンづくりに苦しんでいることにある。
2021年シーズン、ベッテルは7度のトップ10入りを果たした。今季は第11戦オーストリアGP終了時点で4回の入賞にとどまっている。最高得点を挙げたのは、バクーで行われた第8戦アゼルバイジャンGPの6位だった。
今年、4度の世界チャンピオンがメディアの見出しを飾ったのは、スポーツの結果よりもむしろ、気候変動や環境、平等といった問題に関するF1での行動によるものだった。パドックにいる多くの人々は、ベッテルが今シーズン終了後にグリッドを去る見込みが1レースごとに高まっているように感じている。
それでもクラックは、グランプリで53勝を挙げてきたベッテルを2023年にも引き留めることに期待を寄せている。過去の2年間、ベッテルとチームが続けてきたハードワークの恩恵を受けるためだ。
「現在、協議を進めている。セバスチャンは、大変前向きで建設的だ。その観点で言えば、契約が継続することを心から願っている」と、クラックは『Formula1.com』の取材に対して語った。
「そして、これまで2年間にわたって彼が行ってきた投資を思えば、そこからなにかを得るのは彼であるべきで、後で誰か別の人に渡すものではない」
「いずれにしても、我々は現在行われている協議の成功を確信している」
これまでのところ、ベッテルとチームメイトのランス・ストロールにとってはあまり喜べる要素が見当たらないものの、クラックはふたりがともに将来に対して前向きで建設的な姿勢を維持していると語る。
「私は、彼らがいかに諸問題に取り組んでいるか、現在もチームに前向きな姿勢を持っているかを考えれば、ふたりとも称賛に値すると思っている」とクラック。
「悪い言葉は一切出てきていない。我々はともに取り組もうとしている。ともに現状から抜け出そうとしている。彼らは非常に良いフィードバックをくれる。彼らにはフラストレーションが溜まっていてもおかしくはないのに、実際はそうなっていない」
「ランスとセバスチャンのふたりとも、すべてのミーティングに建設的な姿勢で臨んでいる。現状に対して意欲やモチベーションが失われているような感じはまったく受けない」