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それでも世之介は恐る恐る崖に足を伸ばした。急斜面ではあるが、足場となる木々の根っこも多い。 「礼二さん?」 「ここ!」 相変わらず声は遠い。世之介は草むらをかき分けた。見下ろすと、自身の申告通り、崖の途中で草のネットのようなものに礼二が引っかかっている。 もし牧歌的な状況であれば、大…