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ついにAMGとしてスクエアードモデルが登場: ほぼ密かに、メルセデスは新型G 63 4×4²を発表した。オフローダーが初めて本物のAMGとして登場するが、このモデルは短期間しか販売されないそうだ。全ての情報!

ポータルアクスル、91cmの水深、585馬力のV8ツインターボ。初代「4×4²」から7年を経て、メルセデスはAMGバージョンとしての後継車を発表した。この「G」がその1台だ!

メルセデスAMGは、新型「G 63 4×4²」を、いわゆる「Gクラス」のプライベートラウンジでほぼ密かに先行公開した。しかし今回発表されたオフロードの巨人は、大舞台にふさわしいものだった。

歴代Gクラス特別仕様車一覧

2014年、メルセデスは「Gクラス」シリーズの最初のスペシャル限定モデルとして、壮大な「G 63 AMG 6×6」を発表した(スクエアードと呼ばれる)。

「G 500 4×4²」は、「G 63 6×6」の全輪駆動トレインと3つのポータルアクスルのうち2つを受け継ぎ、新開発のシャシーと超ワイドボディを組み合わせたもので、わずか2年後に発売された。

メルセデス・マイバッハG 650ランドーレットは、99台しか製造されなかった超富裕層のための高級オープンカーだった。日本での価格は一億円超えだった。

2017年、「Gクラス」にV12ツインターボを搭載した、ラグジュアリー仕様のオープンカー、「メルセデス・マイバッハG 650ランドーレット」は、わずか99台しか生産されなかった。これまでの「Gクラス」の中でも最も特別なシリーズだった。

G 63に搭載された585馬力のV8ツインターボ

最後の「4×4²」がAMGでなかった後、メルセデスは今、本当にAMG仕様としての「Gクラス」を発表した。新型「4×4²」のプロトタイプは何度も目撃されているものの、最近まで「G 63」なのか「G 500」なのかは不明だった。

出力は585馬力、トルクは850Nmで、先代(422馬力、610Nm)より大幅に向上しているというが、メルセデスAMGは、今回の新型車の性能をまだ公表していない。

G 63 4×4²、ポータルアクスルなど搭載

技術面では、「G 63 4×4²」は先代モデルのレシピを明確に踏襲している。開発における最優先事項は、おそらくこのクルマなら、どこまでも突き抜けられるはずというのがテーマだった! そのために、フロントサスペンションが独立したポータルアクスル、ロック、パーマネントオールホイールドライブはほぼ当然のこととして採用されている。

この光景がバックミラーに映れば、前方の人は自発的に道を譲ってくれるだろう。怖いから。

勾配は45度、地上高は351mm、伏せ込み深さは910mmとされている。地上高は450mmで、「G 500 4×4²」の方が、100mm近く操縦スペースが広く、水深も1、000mmと「G 63 4×4²」より深いのだ。どちらのモデルも、その限界に挑戦する人物は、おそらくほとんどないだろうというのが、我々の意見だ。

モンスタートラックのようなルックスで

ルックス面では、ほとんどサプライズはない。ノーマルの「G 63」でもバックミラーで見ると怖いくらいなのに、「G 63 4×4²」はまるでモンスタートラックのようだ。オフロードタイヤを装着した新デザインの22インチホイールは、先代と同じくビジュアリーカーボンのウィングフレアによってぎりぎりまで覆われている。

「G 500 4×4²」でおなじみの、ライトを追加したカーボン製ルーフアタッチメントを採用。2022年のAMGモデルにふさわしく、パナメリカーナラジエターグリルももちろん見逃せない。

22インチのフルスペアホイールには、ビジュアリーカーボンを使用したカバーを採用。アンダーライドプロテクションは安全のためのものだ。

リアには、「4×4²」のエンボス文字が刻まれたカーボン製の22インチフルサイズスペアホイールが装着されている。また、「Professional」シリーズからルーフラックとリアラダーがリクエストに応じて提供される。

ボディカラーは「AMG GT R」に初めて採用されたマットグリーンで、ニュルブルクリンク北コースノルトシュライフェ、通称緑の地獄にちなんで名付けられた「グリーンヘルマグノ」(!!)だ。

しかし、「G 63 4×4²」は「グリーンヘル」カラーだけではなく少なくとも、この特別モデルは40種類の外装色を注文できるため、最も個性的な「Gクラス」の特別モデルであると説明されている。

G 63 4×4²、デジタルバックミラー搭載

「G 63 4×4²」のコックピットを見るには、入り口が高いので、特に小柄な人はかなり苦労する。インテリアそのものは、現行の「G 63」から99%受け継がれている。ダイヤモンドステッチ入りの上質なナッパレザーとアルカンターラのステアリングホイールを標準装備。

内装はあまり変わっていない。ここでの技術的なハイライトは、デジタルインテリアミラーのみとなっている。あとは助手席前の、小さなレタリングだけ。

新機能として、エアベントに延長されたアンビエント照明、マットカーボンのトリム、デジタルメーターディスプレイの特別なグラフィックが追加されている。目玉はデジタル式バックミラーで、巨大なシート高にもかかわらず後方視界が確保されていることだという。

G 63 4×4²の価格は?

メルセデスの公式発表では、「G 63 4×4²」は一定期間しか販売されないという事実しか語られていない。そして、この「G」がその種の最後のものでもあると付け加えている。

価格についてはまだ情報がない。ただし、2015年の先代がすでに22万6,100ユーロ(約3,150万円)だったので、「G 63 4×4²」が30万ユーロ(約4,200万円)程度の価格になってもおかしくはないだろう。なにしろ、「ノーマル」の「G 63」は少なくとも180,940ユーロ(約2,533万円)もするのだ。それにもかかわらず、現在、「Gクラス」は世界中で注文できないほど人気があるのである。

中古車市場では、27万ユーロ(約3,780万円)を超える「G 63」も出回っている。このような背景から、「4×4²」は良い投機対象とも言えるだろう。

【ABJのコメント】
前のゲレンデヴァーゲンのモデルでも存在していたスクエアードが今回も発売されることになった。前回もちゃんと日本では発売され、3,510万円という、ちゃんと微妙に刻まれた(笑)、正札をつけてメルセデスベンツ ジャパンから限定発売されていた。こういうモデルを導入するとは、とインポーターの商才と嗅覚の鋭さに驚くと同時に、個人的には、ここまでのゲレンデヴァーゲンは必要ないなぁ、と思ったものだ。

言うまでもなく、このゲレンデヴァーゲンの車高と性能を必要とする人など、世の中に存在するわけなどなく、あくまでも「他のみんなが乗っているゲレンデヴァーゲンとは違うゲレンデヴァーゲンが欲しい」という、わがままで、自己顕示欲の強い富裕層の人が買う車である。IT長者とか、ファッション関係の成り上がり者(失礼!)とか、ラッパーとか、鷲をペットにしちゃっているようなターバン巻いた人とか、とにかく、触らぬ神に祟りなしのような人たちが買って街(だけ)でさらっと乗る、そういう車なのだろう。

今、流行りのグリーンのボディカラーも相まって、華々しくデビューした新型「ゲレンデヴァーゲン スクエアード」だが、ゲレンデヴァーゲン大好きな私でも、ここまでの一台は欲しくない(エンジンがディーゼルエンジンじゃないし、タイヤも大きすぎるし・・・)。いつの日にか、街で見かけたら「おーー」と思うだろうけれど、近寄りたくはない。今回もきっと、日本にも導入され、完売御礼だろうけれど、急に価格は上昇して、きっと日本での価格は5,000万円を超える価格になるであろう、と個人的には思う。やっぱり縁のない一台である。(KO)

Text: Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: Mercedes Benz AG