安倍晋三元首相を銃撃し殺人容疑で逮捕された山上徹也容疑者のものとされるツイッターアカウント(@333_hill)が、19日までに凍結され閲覧できなくなった(関連記事)。ツイッターが凍結されたことについて、東京未来大学こども心理学部長で犯罪心理学者の出口保行氏に聞いた。
山上容疑者はツイッター上で、犯行に至るまでの内面を吐露していたと見られる。統一教会によって家庭が崩壊していった様子も述べられていた。
オレが14歳の時、家族は破綻を迎えた。統一教会の本分は、家族に家族から窃盗・横領・特殊詐欺で巻き上げさせたアガリを全て上納させることだ。70を超えてバブル崩壊に苦しむ祖父は母に怒り狂った、いや絶望したと言う方が正しい。包丁を持ち出したのその時だ。
我が家から全財産を奪い、母に家族を騙してそれを秘匿するよう諭した韓国人は「韓国語が英語に取って代わり世界の共通語になる」と豪語した。愛と平和と「家族の大切さ(笑うしかない)」を訴えるという奴がだ。そんなものだ。
出口氏は、アカウント凍結の影響について、こう語る。
ツイッターが見られなくなることによって、山上容疑者本人が何を考え、何を主張したかったのかをじっくりと検証することが、難しくなってしまいます。時系列的な流れの中で、感情がどのように移ろいだのかがを分析することが不可能になります。
その上で、山上容疑者の内面を次のように分析した。
本人はかなり知的な能力が高く、先を見通した行動をしていたと考えられます。ツイッターの文面は難しい言い回しが多く、哲学的な主張をしている部分もある。自らの能力の高さを顕示しているところが認められます。
確かに、ツイッターには支離滅裂な文言やサイコパス的な内容はほぼ見られず、むしろ全体的に冷静さすら感じさせる。事件を起こした後に自身のツイッターがどう見られるか、ある程度予測していた可能性もあるという。
事件後には数々の投稿が注目されるであろうという、歪んだ自己顕示欲があると言えます。
気になるツイッター社の削除根拠
一方、ツイッター社が削除を決めた根拠は何だったのだろうか。アカウントの凍結画面には、
Twitterでは、Twitterルールに違反しているアカウントを凍結しています。
とあるが、ツイッターのルールにどのように違反しているのか、書かれていない。
ツイッター社の日本法人は19日、読売新聞の取材に対し、「暴力行為の加害者に関するポリシー」に抵触したと判断した、と説明したようだ。
このポリシーを読むと、
テロリスト、暴力的な過激派、または集団による暴力行為の加害者によって管理されている個々のアカウントを削除し、加害者が作成した声明やその他のコンテンツを拡散するツイートも削除することがあります。
とあらかじめ犯罪行為をした人物に対し、アカウントの削除も含めた対応について事前警告している。
ただ、山上容疑者が犯行に及んだ状況は確定的とはいうものの、刑事手続き上、現時点では被疑者であり、検察による刑事訴追すらされていない。裁判所で有罪が確定するまで待つのは時間がかかりすぎるにしても、ツイッター社はどういう根拠で山上氏を加害者であると“有罪認定”したのだろうか。ポリシーには加害者による声明について
声明とは、加害者が暴力行為に関与する動機、見解、または意図を説明した意思表示であると定義します。声明とは、書面、ソーシャルメディアへの投稿、録音、動画、外部リンク、手紙、またはその他の形式のコンテンツです。声明は、暴力行為の直後、または暴力行為が起きる前に公開されることがあります。声明は、イベントに関連付けて、警告や意図を表明する場合があります。
と詳しく説明はしている。ネット上の“魚拓”に残るツイートによれば、安倍元首相と統一教会については
オレが憎むのは統一教会だけだ。結果として安倍政権に何があってもオレの知った事ではない
岸が招き入れたのが統一教会。安倍が無法のDNAを受け継いでいても驚きはしない
などの言及はしていたというものの、これを読むだけで「加害者が暴力行為に関与する動機、見解、または意図を説明した意思表示」と断定できるのだろうか。ネット上でも
まだ有罪になってない人のアカウントを凍結って、、当事者が文句言えない状態なのに何で?
などと困惑する声が上がっていた。
ツイッター社を巡っては、買収を試みたイーロン・マスク氏が言論の自由を提起したように運営側の方針に疑義が持たれて久しい。今回もこのまま凍結アカウントは「解凍」されないのだろうか。
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